光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

ギャラリー

管理人が、新宿・渋谷から10km圏内の都心にある自宅付近から撮影した天体写真です。空の条件が良いところで撮ったものには到底かないませんし、管理人の腕も稚拙なものですが「都心からでもこのくらいは撮れるんだ」ということを知ってもらえればと思います。

太陽

減光方法さえ間違えなければ、場所を選ばず簡単に観測できる対象です。たまに巨大な黒点が現れて、私たちを驚かせることがあります。なお、日食の写真についてはこちら

ナローバンドフィルターによる太陽面

ディープスカイ撮影用のHαナローバンドフィルターを流用して撮影した太陽面です。通常の白色光撮影では捉えられない彩層やプロミネンスを確認することができます。

巨大黒点 2024年5月11日

近代以降、最大級の低緯度オーロラを発生させた巨大黒点群です。過去に撮影した巨大黒点群と比べても、大きさ、複雑さともに上回っていて、きわめて強力な磁力線が発生していることが伺われます。

巨大黒点 2017年7月9日

2017年7月7日ごろ、太陽面に巨大な黒点群が現れました。黒点はフレアを発生させながら、太陽の自転とともに西へ移動してきました。この写真は、黒点が見えるようになってからおよそ2日後にに撮影したものです。

巨大黒点 2014年10月25日

2014年10月19日ごろ、太陽面に肉眼でも確認できるほどの巨大な黒点が現れました。黒点は太陽の自転とともに移動し、23日ごろにはちょうど地球の正面を向く位置に来ました。この写真はその週の土曜日、ちょうど晴れとなった日に撮影したものです。

巨大黒点クローズアップ 2014年10月25日

上の写真と同時に、惑星撮影で普段用いている動画カメラで黒点のクローズアップを狙ってみました。複雑な構造がよく分かります。

金星

「明けの明星」、「宵の明星」の異名で知られる、太陽・月を除けば全天一の明るさを誇る天体です。その明るさは1等星のおよそ200倍、最大-4.7等にまで達します。

内合3日前の金星

内合の3日前の金星です。青空の中、文字通り糸のように細い金星の姿が印象的です。2017年3月20日撮影。

内合2週間前の金星

内合の2週間ほど前の金星です。欠け方が大きくなるとともに、見かけの大きさがずいぶん大きくなっているのが分かります。2017年3月11日撮影。

白昼の金星

最大光輝を迎えた直後の金星を昼間の空に捉えました。この時の金星の明るさは-4.6等。昼間でも、青空の中にチリッと輝く姿を肉眼で確認することができます。2017年2月19日撮影。

東方最大離角後の金星

金星が太陽の東側に最も離れる「東方最大離角」を少し過ぎた頃に撮影しました。東方最大離角の頃は日没時の金星の高度が高く、観測や撮影には向いています。2015年6月20日撮影。

火星

昔から人々の関心を引き続けてきた天体の1つです。惑星としてはかなりつぶれた楕円軌道を描いて公転しているため、年によって地球との距離が大きく変動します。普段は表面の模様を確認することすら困難なほど小さくしか見えませんが、いわゆる「大接近」の時には木星の半分程度の大きさにまで大きく見えます。

準大接近の火星

「大接近に近い中接近」……いわば準大接近とでも言うべきときの火星です。この時の地球-火星間の距離は0.42天文単位……約6250万kmにあたります。2020年10月13日撮影。

中接近の火星

中接近のときの火星です。この時の地球-火星間の距離は0.5天文単位……約7500万kmにあたります。2016年5月28日撮影。

準中接近の火星

小接近寄りの中接近……「準中接近」とでもいうべきときの火星です。この時の地球-火星間の距離は0.62天文単位……約9300万kmにあたります。2014年4月13日撮影。

木星

太陽系最大の惑星で、小望遠鏡でも本体の縞模様や大赤斑、明るい4つの衛星(いわゆる「ガリレオ衛星」)を確認することができます。

木星とイオ、ガニメデ 2023年11月3日

大赤斑がこちらを向いているタイミングでの撮影です。複雑にうねるガスの様子が興味深いです。また、木星面を通過中のガニメデの模様がはっきり確認できます。口径20cmの望遠鏡としてはベストに近い性能が発揮できていると思います。

木星とイオ 2023年11月1日~2日

この季節にしては珍しい好シーイングに恵まれました。ちょうど衛星のイオが木星面を通過してくところで、衛星の影がくっきりと木星面に落ちているのが興味深いです。

木星 2017年5月4日

まずまずのシーイングに恵まれ、かなり細部まで写すことができました。非常に活発な木星面で、色々な模様が見えてにぎやかです。

木星 2016年5月22日

久しぶりに大赤斑が正面に来たタイミングで撮影できました。カラーカメラのみによる撮影ですが、木星のような明るい対象ならLRGB法を使わずとも案外何とかなるものです。

木星 2016年2月27日

木星の自転の関係で大赤斑こそ見えないものの、この日は比較的気流が安定していて縞の様子が良く写りました。シーイングの重要性を改めて再認識させられました。

木星 2014年12月28日

私はどうも運が悪く、大赤斑が見える時間帯に撮影できたことがほとんどないのですが、この日はちょうど大赤斑が正面を向いたときに撮影することができました。

木星 2011年11月5日

一眼レフで拡大撮影した木星です。今は動画で撮って処理するのが主流ですが、気流がある程度安定していれば意外とよく写るなという印象です。

土星

誰もが知っている惑星界の人気者。小望遠鏡でも見えるような環を持つ唯一の惑星です。環は地球から見ると1枚の板のように見えますが、その正体は直径数センチ~数メートルの小さな岩や氷が無数に集まったものです。

土星 2023年9月2日

惑星撮影システムを組み替え、その性能のテスト代わりに撮影した土星です。環の傾きもだいぶ小さくなってきました。

土星 2017年7月7日

衝から半月ほどたった土星です。昨シーズンに引き続き、環の開き具合はほぼ最大になっています。今回は大気による色分散をキャンセルするため、可変ウェッジプリズムを使ってみました。

土星 2016年5月28日

衝間近の土星です。土星が傾きながら公転している関係で、このシーズンの環の開き具合はほぼ最大。環の様子がよく分かります。

土星 2014年4月26日

惑星撮影用の動画カメラで土星を狙いました。この日はシーイングが良くてシャープに写りましたが、惜しむらくは若干光軸がずれていたようです。

一眼レフの動画機能で撮った土星

一眼レフの動画機能を利用して撮影した土星です。土星は意外と暗いため、拡大率と感度(画質)との戦いになります。最近の感度の高い&動画に強いカメラなら、もう少しよく撮れるのではないかと思います。2013年5月17日撮影。

コンパクトデジカメで撮った土星

望遠鏡のアイピースに、コンパクトデジカメを押し当てて撮った土星です。こんなやり方でも、慎重にやれば意外とちゃんと写るものです。2013年5月10日撮影。

天王星・海王星

土星のさらに外側の軌道を回る、最遠の惑星たちです。いずれもガスでできた巨大惑星ですが、地球からの距離が遠いため円盤像を確認するのがやっとです。

天王星&海王星 2016年10月15日

口径20cmの望遠鏡と動画カメラで捉えた天王星と海王星です。さすがに模様は見えませんが、それぞれの特徴的な色合いがよく分かります。

彗星

突然夜空に長い尾を引いて現れる彗星は、昔から人々の関心を引いてきました。肉眼でも楽々見えるほどの大彗星はなかなか現れませんが、たとえ暗めの彗星でも、写真に撮ればその特徴的な姿は意外とよく分かるものです。

紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)

2023年1月に発見された新彗星で、最大マイナス4等台に達する大彗星となりました。悪天候にたたられたネオワイズ彗星(C/2020 F3)と異なり、地球に最も接近する10月12日ごろからは全国的に天気にも恵まれ、大勢の人が空を見上げました。2024年10月13日, 11月3日撮影。

ZTF彗星(C/2022 E3)

年明け後、かなり地球に接近してきた時点のZTF彗星です。地球との位置関係で、ダストの尾がアンチテイル気味に伸びているのが興味深いところです。イオンの尾も光害の中から辛うじて。2023年1月21日撮影。

ZTF彗星(C/2022 E3)

2022年3月に発見された新彗星です。発見後は順調に明るくなっていて、2023年1月下旬~2月上旬には肉眼等級で北の空に輝くはずです。撮影時は太陽からも地球からもまだ1天文単位以上離れていましたが、思った以上にダストの尾が立派です。2022年12月26日撮影。

レナード彗星(C/2021 A1)

2021年1月に発見された新彗星で、順調に明るくなり、12月には肉眼等級に達して明け方の空で見頃となりました。意外とダストの尾が立派な「彗星らしい彗星」で、りょうけん座の球状星団M3との接近も印象的でした。2020年12月2日、4日撮影。

ネオワイズ彗星(C/2020 F3)

2020年3月に発見された新彗星で、1997年のヘール・ボップ彗星以来、北半球で久々に0等台に達する明るい彗星になりました。ただ、日本では梅雨の真っただ中に当たり、北海道を除けば最盛期にはほとんど観測できませんでした。この写真は、近日点通過から2週間以上たった後、ようやくできた薄雲の隙間から撮影したものです。2020年7月19日撮影。

アトラス彗星(C/2019 Y4)

2019年12月に発見された新彗星。予想をはるかに上回る猛烈な勢いで増光し、久々の大彗星になるのではないかと大いに期待されましたが、4月に核が崩壊し、期待は夢と消えました。この写真を撮影したのは3月下旬で、まだ彗星に異常が発生していない頃です。2020年3月21日撮影。

ボリソフ彗星(2I/Borisov, C/2019 Q4)

2017年10月に発見された「オウムアムア」(1I/2017 U1)に続いて2例目となる恒星間天体、そして史上初の恒星間彗星です。15等台と都心から撮るにはそもそも暗く、さらに高度も低かったため、かろうじて光のシミらしきものを捉えるにとどまりましたが、それでも確認できただけでも価値があるかと思います。2019年12月8日撮影。

46P/ウィルタネン彗星

周期5.4年で太陽の周りをまわる短周期彗星です。2018年12月には地球に0.775天文単位まで大接近し、4等台まで明るくなりました。等級の数字の割には、大きく広がっているために大変淡く、また地球との位置関係から尾はあまり目立ちませんでしたが、空を駆け抜けていく速さは圧巻でした。2018年12月15日撮影。

ラブジョイ彗星(C/2014 Q2)

2014年8月に発見された新彗星で、地球に0.47天文単位まで接近し8等くらいまで明るくなることが期待されました。ところがその後、彗星は予想を上回るペースで増光し、2014年12月には肉眼彗星に、1月には3~4等台にまで明るくなりました。夜間、見えやすい高度にあったこともあり、双眼鏡を使えば都心でも楽々観察できました。2015年1月10日撮影。

アイソン彗星(C/2012 S1)

2012年9月に発見された新彗星で、木星軌道付近で見つかったにもかかわらず比較的明るかったこと、また太陽に極端に近づく軌道を描くことから、一時は最大マイナス13等にもなるモンスター彗星になるのではないかと期待されました。しかし太陽接近前、地上からの観測では2~3等くらいまでにしか明るくならず、しかも太陽最接近時に崩壊してしまうという予想外の展開となりました。予想よりだいぶ小さな彗星だったようです。2013年11月23日撮影。

パンスターズ彗星(C/2011 L4)

2011年6月に発見された新彗星で、発見当初は、太陽に近づく2013年3月ごろにはマイナス等級の大彗星になるだろうと予測され大変話題を集めました。しかし実際には1~2等くらいまでにしか明るくならず、観測条件も決して良くなかったことから、残念ながら一般の人が期待するほどには見えませんでした。2013年3月12日撮影。

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