光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

内合2週間前の金星

撮影日時 2016年3月11日
撮影機材 ビクセン ED103S+NLV10mm(D103mm, 合成f3180mm)、ビクセンSXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI120MC
露出時間 約60秒, 約30fps
その他 約900フレームをAutostakkert!2によりスタッキング後、Registax6でウェーブレット処理

2016年3月23日に金星が、地球から見て太陽と同じ方向に来る「内合」を迎えますが、その2週間ほど前の11日、青空の中の金星を捉えました。

地球よりも太陽の内側にある水星や金星は地球からの見かけ上、太陽からある角度以上離れることはありません。その最大値を「最大離角」といい、太陽の東側にもっとも離れる「東方最大離角」と西側にもっとも離れる「西方最大離角」とがあります。そして、「太陽-金星-地球」の順に並んだときが「内合」で、「金星-太陽-地球」の順に並んだときが「外合」です。

地球・太陽と金星の位置関係
地球・太陽と金星の位置関係

これまでに東方最大離角のとき最大光度のときの金星を同じ光学系で撮っていますが、これらを比べたのが下の写真。内合が近づくにつれ、見かけの大きさが大きくなっているのがハッキリ分かります。実は、金星が内合を迎えたときの地球-金星間の距離は約4200万kmで、火星が大接近した時の距離約5600万kmを大幅に下回り、地球から最近の惑星となります。上の写真を撮った時の地球-金星間の距離は、すでに約4500万kmほどになっています。

金星の大きさの変化
金星の大きさの変化

この形や大きさの変化は小さな望遠鏡でも観察できるので、望遠鏡を持っている方は、実際に定期的に追跡してみると面白いと思います。ただし、日中に観察する場合には、太陽の危険性を理解したうえで、十分注意して行ってください。

<< 前のページに戻る

↑ PAGE TOP