木星とイオ、ガニメデ 2023年11月3日
撮影日時 | 2023年11月3日 23時33分46秒 |
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撮影機材 | セレストロン EdgeHD800+Meade 3x TeleXtender+PierroAstro ADC MK3、ビクセンSXP赤道儀 |
使用カメラ | モノクロ:ZWO ASI290MM カラー:ZWO ASI290MC |
感度・露出時間 | モノクロ:Gain=230, 30ms, 90秒, 30fps カラー:Gain=280, 30ms, 90秒, 30fps |
その他 | Optolong UV/IRカットフィルター使用 モノクロ:約1500フレームをAutostakkert!3でスタック後、waveSharpでウェーブレット処理 カラー:約1500フレームをAutostakkert!3でスタック後、waveSharpでウェーブレット処理 得られたモノクロ、カラーの画像をステライメージ7でLRGB合成 |
2023年11月3日、動画カメラを用いて撮影した木星です。
ちょうど大赤斑がこちら側を向いたタイミングで、大赤斑後方のガスのうねりが非常によく分かります。また、北赤道縞(下の方の濃い縞)の乱れも鮮明で、見ごたえがあります。
大赤斑の南側(上側)には、大赤斑に隣接して南温帯縞を遮るようにOval BAと呼ばれる渦があります。日本語だと「中赤斑」などという通称もあるようですが、その割に色がかなり淡くなっています。むしろそのさらに南にある白斑の方が目立つほどです。
今回の写真では、ウェーブレット処理に定番のRegistax6ではなく、同作者が新たに開発している「waveSharp」を使ってみています。同ソフトの"ZeroGauss"フィルターが想像以上に優秀で、より精細な表現が可能でした。良し悪しは処理する画像にもよるでしょうけど、一考の余地はあるかと思います。
写真には衛星も写っています。左側には「ガリレオの4大衛星」の1つ、第1衛星のイオが、そして木星面を通過中なのが、同じく四大衛星のひとつ、第3衛星のガニメデです。ガニメデは木星の衛星中最大……どころか太陽系内の全衛星中で最大の大きさを誇る衛星です。その直径は地球の月の約1.5倍にも達し、惑星である水星よりも大きい(水星の1.08倍)ほどです。
この大きさのおかげもあってか、ガニメデ表面には模様らしき明暗が見て取れます。本当に模様なのかどうか確信が持てなかったので、Stellariumでシミュレーションしてみた結果が以下の通り。
明暗のパターンはほぼ一致しており、どうやら本当に衛星の模様が写っているようです。北側の暗い領域は「ガリレオ地域」(Galileo Regio)と呼ばれる、月の「海」に相当する地形、南側のひときわ明るい部分はオシリス・クレーター(直径107km)のようです。この時のガニメデの視直径はおよそ1.8秒。EdgeHD800(口径20cm)の理論上の分解能は0.57秒なので、性能がフルに発揮されれば模様が見えること自体不思議ではないのですが……。銀塩フィルムで写真を撮っていた頃にはとても考えられなかったことです。