光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

ホットピクセル除去

ダーク&フラット補正の終わった画像を次に現像するわけですが、現像してみると原色の輝点が現れることがあります。現像操作を取り消し、現像前の画像を見てみると、輝点に相当する位置の画素が白く点灯しているのが分かると思います。これは撮像素子の欠陥などにより点灯しっぱなしになっているピクセルで、このような点を「ホットピクセル」と呼びます(逆に消えっぱなしのピクセルを「クールピクセル」と呼びますが、デジカメで現れるのはまれなようです)。

ホットピクセル
ホットピクセル
左側は現像前、右側は現像後の画像です。現像後に真っ赤な輝点として現れている場所を現像前の画像で確認すると、白く点灯しているピクセルが1つだけあるのが分かります。これがホットピクセルです。

本来、ダーク補正をすればこのようなピクセルはほぼ除去できるはずなのですが、実際には撮像素子の温度条件が撮影時と微妙に異なっていたりして、ノイズの出方がダークフレームと異なる場合があり、そうしたときに消し切れないノイズとして現れます。また、時には高エネルギーの宇宙線が撮像素子にぶつかって、このようなノイズが現れることもあります。

これを取り除くのが「ホットピクセル除去」です。RAW画像を開き、ホットピクセル部分に注目した状態で「ホットピクセル除去」のスライダーを数字の低い方に動かしていくと、ある時点で輝点が消えるはずです。この、輝点が消えるギリギリのパラメータを使い、除去操作を行うことで、ホットピクセルを手早く消すことができます。

ただ、この「ホットピクセル除去」には画質を低下させる副作用があります。この機能はピンポイントでホットピクセルを消し去っているわけではなく、ホットピクセルを周囲と「なじませる」ことで目立たなくしています。RAW画像をわざとぼかしている(実際にはちょっと違うけど)ようなものなので、強力にかければかけるほど画質は劣化するのです。なので、スライダーはホットピクセルが消えるギリギリの数値を狙ってください。

もしどうしてもうまく消えない or 消すためにはスライダーをものすごく下げなければならない場合は最終手段。RAW画像上のホットピクセルをペンツールで塗ってしまいましょう。色は近くの画素の色を適当に拾ってきます。数が多いと大変ですが、メインの被写体が写っているあたりだけなら何とかなるのではないかと思います。

もっともホットピクセルに関しては、メインの被写体にかぶってさえいなければ最後にフォトレタッチソフトで消してしまうこともできますので、あまり神経質になりすぎない方がいいと思います。

ここまでできたら、RAW画像を現像します。普通は、特にパラメータをいじらなくても適切に処理されるはずです。

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