光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

網状星雲 NGC6992-5(超新星残骸、はくちょう座)

撮影日時 2022年6月26日
撮影機材 ビクセン ED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 ペンシルボーグ(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 0℃, Gain=400, 露出60秒×64コマ
備考 IDAS NebulaBooster NB1使用

はくちょう座にある有名な超新星残骸です。数万年前の超新星爆発によって飛び散ったガスが輝いているもので、この周辺には見かけの大きさにして4度ほど、実サイズにして直径約50光年にわたってフィラメント状の淡いガスが広がっています。ここで捉えているのは「網状星雲」の中でも最も明るい東側の部分で、NGC6992~6995の名前が割り当てられています。

この領域は2013年2016年2017年と3度にわたって撮影していますが、いずれも非冷却の天文改造デジカメでの撮影ですし、2013年、2016年は汎用光害カットフィルター(LPS-P2)を持ちいていたので写りとしてはもう一つでした。2017年はフィルターとしてOPTOLONGのCLS-CCDを用いたのでずいぶん良くなりましたが、それでも昨今のデュアルナローバンドフィルターと比べると透過波長域が広く、今から見ると不満があります。

そこで今回は、冷却CMOSカメラにデュアルナローバンドフィルターであるNB1を組み合わせ、さらに「高ゲイン・短時間露出・多数枚」で撮影することで星雲を精細に表現することを目指しました。

結果、ほつれた糸のような、ガスの繊細な構造を描き出すことができました。「東京都心から撮った」といっても信じられない程度にはなったのではないかと思います。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。都心の激しい光害の中、わずか60秒の露出ですが、この時点でうっすらと星雲の存在が確認できます。さすがはデュアルナローバンドフィルターの威力といったところでしょうか。

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