光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

らせん星雲 NGC7293(惑星状星雲、みずがめ座)

撮影日時 2025年7月24日
撮影機材 ビクセン ED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 ペンシルボーグ(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 0℃, Gain=300, 露出300秒×24コマ
備考 Optolong L-Ultimateフィルター使用

みずがめ座にある大型の惑星状星雲です。地球からの距離は約650光年と、私たちに最も近い惑星状星雲の1つで、見かけの大きさは満月の半分ほどにも達します。しかしながら、一般的な「惑星状星雲」の印象とは異なって大変淡く、また南中時でも高度が東京で30度ほどしかないため、大気の透明度や光害の影響を受けやすい難物です。

この対象は2019年にデジカメで2022年に冷却CMOSで撮影していますが、いずれも写りは今ひとつ。前述の通り、高度の低さが仇になった格好です。そこで今回は、デュアルナローバンドフィルターであるL-Ultimateフィルターを用い、光害の影響を徹底的に排除しました。その結果、こと座の「環状星雲」M57にも似た、色鮮やかなリングが浮かびあがりました。昔、このNGC7293の写真を「神の目」と称するチェーンメールが出回りましたが、その伝に倣えば北東側にあたかも「眉毛」のようにHαで輝くガスが伸びています。このガスは淡くて撮るのが案外大変なのですが、L-Ultimateの効果か、思ったよりハッキリと写ってくれました。

「らせん星雲」という愛称は、ガスが螺旋を巻いているように見えるところからきていて、惑星状星雲を極方向から眺めている姿に相当します。赤(Hα)は電離した水素、青緑(OIII)は電離した酸素に由来していて、両者が共存しているところは黄色に見えています。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像およびレベル調整のみ行った画像です。強調してやらないとさすがに何も見えませんが、軽い強調だけで星雲の姿がしっかり浮かび上がってきます。光害の影響もそれほど感じられず、さすがはL-Ultimateフィルターといったところです。

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