パックマン星雲 NGC281(散光星雲、カシオペヤ座)
撮影日時 | 2021年11月5日 |
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撮影機材 | ED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | ZWO ASI2600MC Pro |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | 0℃, Gain=100, 露出900秒×3コマ |
備考 | IDAS NebulaBooster NB1使用 |
カシオペヤ座にある小型の散光星雲です。しかし小さいながらも意外と明るく、空の暗いところだと双眼鏡でも見えることがあるとのこと。街中からでも写りのいい対象です。
特徴的なのは「パックマン星雲」という愛称のもとになった暗黒星雲で、写真を見てみると明るく輝く星雲部分に深く切れ込んでいます。もちろん、実際には星雲の手前にチリなどを豊富に含んだガス雲があり、これが星雲の光を遮っています。
星雲の中には「ボック・グロビュール」と呼ばれる黒いシミのようなものが見られますが、これもチリの塊で、この中でまさに今、恒星が生まれようとしているところです。星雲の東側(左側)にはM16にある「創造の柱」的な構造も見えて、どことなくケフェウス座のIC1396を彷彿とさせます。
実際、この星雲は典型的な星形成領域で、星雲中心部にある散開星団IC1590からの強烈な紫外線により、周囲の水素ガスが輝いているものです。「創造の柱」的な構造も、IC1590の星々からの恒星風と「柱」内部の磁場との相互作用の結果です。
この写真を撮った時は雲が頻繁に通過するあいにくの空模様で、コマ数も露出時間も圧倒的に不足しています。それでもこれだけ写るあたり、星雲の明るさに救われた格好ですが、できれば撮り直しをしたい対象です。一方で、これだけ明るいので、ラッキーイメージング的な手法を用い、長焦点鏡を使って中心部を拡大してみるのも面白いかもしれません。
オリジナル画像
コンポジット&処理前の画像です。ナローバンド系のフィルターであるNebulaBoosterを使っているせいか、背景の光害はほとんど目立ちません。星雲も暗くて見づらいですが、しっかり写っています。