エスキモー星雲 NGC2392(惑星状星雲、ふたご座)
撮影日時 | 2018年3月11日 |
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撮影機材 | セレストロン EdgeHD800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | セレストロン オフアキシスガイダー使用 |
オートガイダー | StarlightXpress Lodestar |
感度・露出時間 | ISO800、10秒×240コマ |
備考 | OPTOLONG CLS-CCD for EOS APS-Cフィルター使用、中心部をトリミング |
ふたご座にある惑星状星雲です。以前撮影した「キャッツアイ星雲」や「まばたき星雲」と同様、アマチュアの観望に適した天体を集めた「カルドウェルカタログ」にも収載されていて、カタログナンバーでいうとC39に当たります。
冬の天体というと「オリオン大星雲」や「ばら星雲」のような、華やかな散光星雲を思い浮かべがちですが、このNGC2392は小さいながらもそのユニークな姿で人気のある天体です。カタログ上の明るさは10等ですが、惑星状星雲の場合、小さい面積に明るさが集中していることもあって、街なかからでも意外と存在が分かります。
この写真では、キャッツアイ星雲やまばたき星雲を撮影した時と同様、1コマあたりの露出を10秒に抑えて多数枚撮影し、これをコンポジットした後にRegistax6でウェーブレット処理をするという、惑星写真と同じような処理方法をとっています。前記2つの惑星状星雲と比べると周辺部がやや淡く、うまく写るかどうか心配でしたが、中心部の複雑なガスの構造や周辺を取り巻くフィラメント状の構造が分かる程度にはなってくれました。このフィラメントは数光年にも及ぶ巨大なもので、「エスキモー星雲」という愛称は、これをエスキモーの伝統的な防寒服「アノガジェ」(アノラック)のフードに見立てたものです(らしく見えるよう、このページの写真は例外的に南を上にしています)。
できれば、もう少し外周部の「フィラメントらしさ」を出したかったところですが、これをきっちり描写するには、惑星同様バローで拡大したうえで、感度を思いっきり上げて高速シャッターで数千コマを確保するか、さらなる好シーイング&大口径鏡が必要そうです。シーイングについては、冬の太平洋側は季節風の影響で悪いことが多いので厄介なところ。一方で春になるとシーイングの良い日が出てくるものの、早い時間帯に天頂付近から傾いてきてしまうため、好機を逃さず捉えたいものです。
オリジナル画像
カメラで撮ったままの画像です。惑星状星雲としては周辺部がやや淡いため、撮って出しだと「にじんだ恒星」のように見えます。見かけの大きさは木星と同程度しかなく、焦点距離2000mmの望遠鏡で撮影してもこんなサイズでしか写りません。