まばたき星雲 NGC6826(惑星状星雲、はくちょう座)
撮影日時 | 2017年8月24日 |
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撮影機材 | セレストロン EdgeHD800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | セレストロン オフアキシスガイダー使用 |
オートガイダー | StarlightXpress Lodestar |
感度・露出時間 | ISO800、10秒×154コマ |
備考 | OPTOLONG CLS-CCD for EOS APS-Cフィルター使用、中心部をトリミング |
はくちょう座の西側の翼付近にある小さな惑星状星雲です。
はくちょう座には北アメリカ星雲や網状星雲、二重星のアルビレオなど、有名な天体がひしめいているので、小さなこの惑星状星雲は忘れられがちですが、都心からでも意外とよく見える天体です。
「まばたき星雲」というユニークな愛称の由来ですが、星雲中心にある星に注目するとその明るさで星雲部分が見えづらくなるが、そらし目をするとまた見えるようになる、つまり星雲部分が見えたり消えたりするということで「まばたき」(blinking)の名がついているそうです。でも、星雲など淡い天体を観望するときに、対象を注視するのではなく視野の端の方で見るようにする「そらし目」は、基本的なテクニックとしてよく知られているもの。なぜこの星雲にだけことさら名前がついているのか、いまいち謎です(^^;
この写真では、キャッツアイ星雲を撮影した時と同様、1コマあたりの露出を10秒に抑えて多数枚撮影し、これをコンポジットした後にRegistax6でウェーブレット処理をするという、惑星写真と同じような処理方法をとっています。一般に惑星状星雲は明るくて写りやすいですし、この方法ならガイドなしの赤道儀任せでも撮れますので、天体が非常に小さいということを除けば、初心者に最適な撮影対象なんじゃないかという気がしています。
撮れた写真では、目玉を思わせるようなガスの濃淡が印象的です。「目頭」と「目尻」にあたる部分が明るく見えていますが、これはつい最近(約1000年前)、中心星から猛スピードで吹き出した物質が輝いているものと言われています。惑星状星雲は、終末を迎えた中心星が吹き飛ばした星表層のガスが、中心星からの紫外線を受けて輝いているもの。ダイナミックな変動の結果が、ガスの濃淡や明るさのムラ、色の違い、ユニークな形などに表れているのです。
オリジナル画像
カメラで撮ったままの画像です。惑星状星雲のご多分に漏れず、単位面積当たりの明るさが大きいので、わずか10秒の露出でも青緑色の姿が容易に写りました。ただ、見かけの大きさが小さいため、焦点距離2000mmの望遠鏡で撮影してもこんなサイズでしか写りません。