干潟星雲 M8と三裂星雲 M20、M21(M8, M20: 散光星雲、M21: 散開星団、いて座)
撮影日時 | 2019年8月3日 |
---|---|
撮影機材 | ミニボーグ60ED+マルチフラットナー1.08×DG(D60mm, f378mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | ISO100、600秒×12コマ |
備考 | IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用 |
いて座付近の天の川のあたりはちょうど銀河の中心方向で、多くの天体が集まりにぎやかなところです。写真の被写体としても人気ですが、中でも「干潟星雲」ことM8、「三裂星雲」ことM20そして散開星団M21が収まるこの領域は、夏の定番構図と言ってもいいくらいのものです。
実際、この領域は2012年、2015年と撮影していますが、今から見ると当時の写りには不満があります。当時の撮影方法は現在と違いますし、処理の腕も多少は上がっているはずなので、今ならもう少しきれいに写せそう。しかし一方で、LED照明の普及によって、光害成分は従来型の光害カットフィルターではカットしきれなくなってきており、低空の対象にとってはより厳しい条件になっています。このあたりのせめぎあいがどう出るか、興味のあるところです。
今回は、光学系は2015年の時と全く同様ですが、デジカメの設定感度をISO100まで落とし、1コマ当たり10分の露出を与えています。そのかいもあってか、以前よりも、淡い部分が比較的よく写ってくれました。三裂星雲M20の青い反射星雲も鮮やかです。東京都心でここまで写ってくれるのなら、より短焦点のレンズを使えば、M20の西側にある「猫の手」と俗称される領域も捉えられるかもしれません。
オリジナル画像
コンポジット&処理前の画像です。長時間露出をかけたおかげで、M8の中心部やM20の存在が分かりますが、それでも背景レベルの上がり方はかなりのもの。都心の低空の光害はやはり激烈で、ここから星雲を炙り出すのはかなりの困難を伴います。