光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

小亜鈴状星雲 M76(惑星状星雲、ペルセウス座)

撮影日時 2017年1月2日
撮影機材 セレストロン EdgeHD800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3
ガイド鏡 セレストロン オフアキシスガイダー使用
オートガイダー StarlightXpress Lodestar
感度・露出時間 ISO100、600秒×8コマ
備考 IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用

ペルセウス座にある惑星状星雲です。こぎつね座にある惑星状星雲「亜鈴状あれいじょう星雲」ことM27を小さくしたような見た目から「小亜鈴状しょうあれいじょう星雲」という愛称がついています。ちなみに「亜鈴」というのはダンベルのことです。

その名の通り見かけの大きさの小さい天体で、視直径は3分ほどしかありません。明るさも10等前後と、メシエ天体では最も暗い部類に入ります。惑星状星雲は、星が一生を終える際に放出したガスが、中心となる星からの紫外線を受けてネオンサインのように輝いているものですが、このM76も中心に表面温度約6万度という16.6等の星があり、この星からの紫外線で輝いています。

惑星状星雲は、中心星からのガスの放出のされ方や地球から見た時の向きにより様々な形をしていて、またガスの成分や受け取るエネルギーの強弱、温度により様々な色で輝きます。M76は立体的な形がやや想像しにくいですが、中央の明るい部分は円盤状で、その両極から高速でガスが噴出されて蝶の羽のような構造が形成されています。また、緑色の部分は赤い部分より温度が高いことが知られています。

M76は以前も撮影したことがありますが、このときはガイド鏡を使ったガイドで、比較的短時間の露出しかできませんでした。しかし今回オフアキシスガイドで長めの露出時間を与えることで、蝶の羽のように広がる淡いガスの部分をよりハッキリと写しだすことができました。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。惑星状星雲は一般に単位当たりの輝度が高く、見やすい/撮りやすいものが多いのですが、このM76は最も暗い部類。それでも、中心部の明るくカラフルな領域はハッキリわかります。

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