光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

アンドロメダ銀河 M31(系外銀河、アンドロメダ座)

撮影日時 2020年11月14日
撮影機材 ミニボーグ60ED+マルチフラットナー 1.08×DG(D60mm, f378mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 -10℃, Gain=0, 露出30秒×8コマ+180秒×8コマ+900秒×8コマ
備考 IDAS LPS-D1使用

街なかからでも双眼鏡や小望遠鏡で存在を確認できる、いわずとしれた大銀河です。銀河系の「お隣さん」にあたる銀河ですが、地球からの距離は約250万光年で、肉眼で見える最も遠い天体の1つです。昔は銀河系内の天体である「星雲」と「系外銀河」の区別が付けられておらず、その名残から今でも「アンドロメダ大星雲」などと呼ばれることも多いです。

有名な割に街なかからでは明るい中心部しか見えず、写真のような渦巻を期待して見るとガッカリすることが多いのですが、それでも250万年前に発した光が今地球に届いているのだと考えると、見栄えを抜きにして感慨深いものがあります。

M31を撮るのは、2012年2014年2016年に続いて4度目。定期的に撮っているM42(オリオン大星雲)と並び、撮影技術や画像処理のベンチマークになってきた感があります。もっともこちらの場合、散光星雲と違って色を手掛かりにした強調処理が一切できない分、光害地での撮影、処理はさらにもう一段難しいものになります。

これを撮影した日は大気の透明度が比較的良好で、また南中前後の時間帯を狙ったため、光害の影響は比較的気軽微でした。この好条件下、1コマ当たり最大15分の露出を行うことで、これまでと比べてもかなりよく写ってくれました。また、処理に関しては、三色分解後に各プレーンに対して「Silver Efex Pro 2」の「高ストラクチャ(強)」をかけています。淡い部分を持ち上げるのに効果的だったのではないかと思います。

なお、撮影時に露出時間を30秒、3分、15分と振って多段階露光を行い、中心部付近の白飛びを抑えようとしましたが、まだもう一息効果が薄いようです。とはいえ、15分露出のコマのみを使って処理した場合に比べると幾分マシなので、やっただけのことはあるのでしょう。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像(15分露出のもの)です。この状態ではほぼ中心部しか見えませんが、注意深く見るとM31の真下に伴銀河のM32、右上に同じくM110がぼんやりと確認できます。光害によるカブリが少ないのは、M31が天頂付近まで昇っていたからこそでしょう。

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