光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

アンドロメダ銀河 M31(系外銀河、アンドロメダ座)

撮影日時 2016年11月5日
撮影機材 ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG(D60mm, f298mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3
ガイド鏡 ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 ISO200, 露出480秒×16コマ
備考 IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用

街なかからでも双眼鏡を使えば容易に存在を確認できる、いわずとしれた大銀河です。銀河系の「お隣さん」にあたる銀河ですが、地球からの距離は約250万光年で、肉眼で見える最も遠い天体の1つです。街なかからでは明るい中心部しか見えず、写真のような渦巻を期待して見るとガッカリすることが多いのですが、それでも250万年前に発した光が今地球に届いているのだと考えると、見栄えを抜きにして感慨深いものがあります。

さてこの写真ですが、2012年2014年に続いて3度目の撮影になります。システム自体は2014年の時と同じですが、当時は腕の部分をうまく表現できなかったのでそのあたりの改善を目指してみました。具体的には、最近やっている「感度設定を低めにして白飛びを抑えつつ、できるだけ長時間露光を行う」という方法です。

しかし撮影日は晴れてはいたものの湿度が高く、空の透明度も悪いせいで光害の影響が相当ひどく出てしまいました。しかも散光星雲などと違って特徴的な色もないため、色を手掛かりに星雲を強調するということもできません。北に渋谷や新宿を控えていることもあり、そもそも天頂以北の天体はなかなか難しいことが多いのですが、これも処理には相当の困難を伴いました。

それでも、最終的にはどうにか渦巻星雲っぽい雰囲気を出すことができました。腕も従来よりはよく見えています。なお今回は、最近よく見かける周辺部をやや青っぽく見せるような処理をしてみましたがどうでしょうか。

残る課題は中心部近くの表現。長めの露出をかけた分、完全に白飛びしてしまっているので、M42の場合と同様、多段階露光で階調を救いたいところです。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。有名なアンドロメダ銀河とはいえ、都心の光害に埋もれてほぼ中心部しか見えません。伴銀河のM110も、辛うじて存在が判別できる程度です。

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