光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

超新星 SN2023ixf

撮影日時 2022年4月9日、2023年5月24日
撮影機材 ビクセン ED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 -10℃, Gain=200, 300秒×24コマ
備考 IDAS LPS-D1フィルター使用
中心部をトリミング

おおぐま座にある系外銀河M101に現れた超新星です。

2023年5月19日、これまでも多くの超新星を発見してきた板垣公一氏が発見したもので、発見時の明るさは14.9等。その後、みるみるうちに明るくなり、5月下旬には11等程度まで達して明るさのピークを迎えました。

SN 2023ixfの光度曲線
AAVSO(アメリカ変光星観測者協会)に報告された光度データをプロットしたもの。5月24日ごろには11等程度にまで達しています。

M101は地球からおよそ7メガパーセク(約2300万光年)の位置にありますが、これほど近くで超新星爆発が見られたのは、2014年1月に同じくおおぐま座のM82で発生したSN 2014J以来のことです(地球までの距離:約1200万光年)。

M101は超新星発見以前にも撮影していましたので、これと2023年5月24日に撮影したもの比較したのが上の写真です。撮影条件や画像処理方法など、なるべく条件を揃えましたが、腕の中で輝く明るい超新星がハッキリと分かります。

これだけでも記録としては貴重なのですが、せっかく発生した超新星ですので、その明るさをざっくりと見積もってみました。

上の写真では1コマ当たり5分の露出を与えていて、恒星像は飽和しがちになります。これでは明るさの見積もりができませんので、別途、露出を60秒に抑えたコマを確保しておきました。これをダーク補正、フラット補正したのち現像。これを3色分解して、Gプレーンのみを画像解析ソフトであるマカリィに読み込みます。マカリィに画像を読み込んだら、超新星や光度の近い任意の恒星について「開口測光」を用い、星像部分のカウントを記録します。同時に、ステラナビゲータで恒星の光度をチェックし、これと上記カウントとをプロット。近似曲線を求めて、ここから超新星の明るさを推定します。

その結果がこちら。SN 2023ixfの明るさはおおよそ10.96等……ほぼ11等となりました。かなり荒っぽい光度の求め方ですが、AAVSOへの報告結果とも矛盾せず、案外まともな結果になりました。雑な方法とはいえ、ざっくりと光度が見積れるだけでも面白いのは確かです

さらにここから絶対等級を見積もってみると、およそ-18等となります。もしこの超新星が「Ia型超新星」であれば、最大光度時の絶対等級は-19~-19.5等程度になるはずですが、それより一段暗い数字です。これはこの超新星が、大質量星が一生の最後に重力崩壊を起こして爆発する「II型超新星」と呼ばれるタイプだからです。「Ia型超新星」はそのメカニズム上、爆発の規模はほぼ一定ですが、「II型超新星」の場合は爆発する恒星の大きさなどによって、おおよそ-17~-22等くらいまで明るさに幅があります。一般に、超新星のタイプはスペクトルから判断されるのですが、今回は絶対等級からも「Ia型ではない」ことが裏付けられた形です。

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