光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

土星状星雲 NGC7009(惑星状星雲、みずがめ座)

撮影日時 2018年8月26日
撮影機材 セレストロン EdgeHD800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3
ガイド鏡 セレストロン オフアキシスガイダー使用
オートガイダー StarlightXpress Lodestar
感度・露出時間 ISO800、10秒×180コマ
備考 OPTOLONG CLS-CCD for EOS APS-Cフィルター使用、中心部をトリミング

みずがめ座にある惑星状星雲です。見かけの大きさが41秒×35秒しかない大変小さな天体で、視直径の数字的には木星と同程度しかありません。「土星状星雲」という愛称がついた理由は写真を見れば一目瞭然で、星雲の左右に棒のようなものが突き出していて、ちょうど真横から見た土星の輪のように見えるためです。大きさ的にも見た目にも「惑星状星雲」という区分がしっくりくる天体と言えるでしょう。

カタログ上の明るさは8等程度しかありませんが、単位面積当たりの明るさが明るいことが幸いして、月が大きかろうが光害が酷かろうが非常によく写ります。この写真を撮ったのも満月前の月が煌々と照らす中でしたが、月明かりをものともしません。今回はオートガイダーを使っていますが、露出が短くて済むのでノータッチガイドでもほぼ問題ないですし、大きさが非常に小さいことを除けば、この類の惑星状星雲こそ初心者向けなのではないかと思います。

この天体は以前にも1度撮ったことがありますが、当時は露出の加減が分からず、その複雑な構造を十分に表現することができませんでした。今回は1コマ当たりの露出を10秒にとどめ、これをコンポジットした上で、Registax6を用いてウェーブレット処理を行っています。惑星の画像処理と同じ手法ですが、おかげで本体内部の複雑なシェルの構造が浮かび上がってきています。

オリジナル画像

カメラで撮ったままの画像です。この星雲は単位面積当たりの明るさが大きいので、わずか10秒の露出でも容易に写りました。ただ、見かけの大きさが小さいため、焦点距離2000mmの望遠鏡で撮影してもこんなサイズでしか写りません。

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