北アメリカ星雲 NGC7000とペリカン星雲 IC5067, 5070(散光星雲、はくちょう座)
撮影日時 | 2022年7月30日 |
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撮影機材 | ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG(D60mm, f298mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | ZWO ASI2600MC Pro |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | 0℃, Gain=150, 露出600秒×4コマ |
備考 | IDAS Nebula Booster NB1フィルター使用 |
はくちょう座の1等星デネブのすぐ近くにある散光星雲で、NGC7000はその姿が北アメリカ大陸に似ていることから、右側に見える「ペリカン星雲」も、その名の通りペリカンのような形をしていることから名づけられました。一見、別々の星雲のように見えますが、実際はひとつながりの星雲で、手前にある暗黒星雲によって一部が隠されてこのように見えているものです。
これらの散光星雲は主にHα線という、水素に由来する波長656.28nmの光で輝いているのですが、人間の眼はこの赤い光に対する感度が非常に低いため、肉眼ではほとんど見えません。しかしHα線に感度のあるカメラなら良く写り、昔から夏の人気の被写体になっています。
過去、この領域は2014年、2016年、2019年とデジカメを用いて撮影してきていますが、比較的淡いのと都心の光害のせいとで写りは今一つでした。そこで今回は冷却カメラに、酸素原子由来のOIII、水素原子由来のHαおよびHβを選択的に透過するNebula Booster NB1フィルターを組み合わせ、その姿をはっきり浮かび上がらせることを目指した結果がこれです。東京都心から撮ったことを思えば上出来ではないでしょうか。
もっとも、この撮影を行った夜は、はくちょう座方面にばかり雲が多く、正味40分しか露出時間を取れませんでした。もう少し露出時間が欲しかったというのが偽らざるところです。
オリジナル画像
コンポジット&処理前の画像です。冷却CMOSカメラは、デジカメと違って一切の補正が入っていないので一見真っ暗ですが、わずかですが両星雲の姿を確認することができます。