光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

北アメリカ星雲 NGC7000とペリカン星雲 IC5067, 5070(散光星雲、はくちょう座)

撮影日時 2019年8月4日
撮影機材 ミニボーグ55FL+レデューサー0.8×DGQ55(D55mm, f200mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3
ガイド鏡 ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 ISO100、1200秒×12コマ
備考 IDAS Nebula Booster NB1フィルター使用

はくちょう座の1等星デネブのすぐ近くにある散光星雲で、NGC7000はその姿が北アメリカ大陸に似ていることから、右側に見える「ペリカン星雲」も、その名の通りペリカンのような形をしていることから名づけられました。

これらの散光星雲は主にHα線という、水素に由来する波長656.28nmの光で輝いています。そこで今回は、酸素原子由来のOIII、水素原子由来のHαおよびHβを選択的に透過するNebula Booster NB1フィルターを用い、光害の影響を抑えつつ星雲の淡い光を捉えることを狙いました。

この領域は2014年2016年と撮影したことがありますが、今回はフィルターの能力もあってか、都心の激烈な光害の中でもかなり明瞭に星雲の形を捉えることができました。反射星雲や系外銀河といった連続光で輝く天体には効果が薄く、対象を選ぶフィルターですが、適切に使えばかなり強力な武器になりそうです。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。従来は光害に埋もれて星雲の存在を確認すること自体困難でしたが、「撮って出し」のこの時点で星雲の形がハッキリ分かるのは驚異的です。

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