光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

M4(球状星団、さそり座)

撮影日時 2022年5月4日
撮影機材 ミニボーグ55FL+レデューサー0.8×DGQ55(D55mm, f200mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 ペンシルボーグ(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 -10℃, Gain=0, 露出300秒×30コマ
備考 IDAS LPS-D1フィルター使用
「アンタレス周辺」の写真から焦点距離620mm相当(@APS-C)の領域をトリミング

さそり座にある明るく大きな球状星団です。球状星団としては星の密集度合いが比較的まばらな方で、小望遠鏡でも観測しやすい対象です。地球からの距離も約7200光年と、球状星団の中では2007年に発見された2MASS-GC04(約4900光年)に次いで近いものです。

この写真は「アンタレス周辺」の写真からトリミングしたもので、球状星団に最適な露出条件で撮っていないため中心部が飽和気味です。それでも、星団の中央を明るい星がゆるいS字状を描いて南北に連なっているのが分かります。ウィリアム・ハーシェルはこれを「かなり明るい8ないし10個の星のなす尾根」と表現しています。星団は全体的に黄色っぽく見えますが、これは間に暗い星間物質の雲があるためです。

また、写真左上にはもう1つ小さな球状星団が見えていますが、これにはNGC6144というナンバーが付けられています。球状星団の大きさとしては、M4が直径約70光年、NGC6144が62.5光年とそれほど違わないのですが、視直径には36分と9.3分と大きな差があります。これはNGC6144がM4の4倍ほども遠くにあるためです(地球からの距離:約27700光年)。こういうのは奥行きが感じられて面白いものです。

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