アンタレス周辺

撮影日時 | 2022年5月4日 |
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撮影機材 | ミニボーグ55FL+レデューサー0.8×DGQ55(D55mm, f200mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | ZWO ASI2600MC Pro |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | -10℃, Gain=0, 露出300秒×30コマ |
備考 | IDAS LPS-D1フィルター使用 |
肉眼では見えませんが、さそり座の1等星アンタレスの付近には星間ガスが広がっており、淡い散光星雲や反射星雲、暗黒星雲が入り乱れています。この領域は、その鮮やかさから俗に「カラフルタウン」と呼ばれ、人気の被写体になっています。
しかしながら、さそり座が南に偏っているため、東京では南中しても高度は30度に届かず、大気による減光や光害の影響を非常に強く受けます。さらに、そもそもが非常に淡い対象である上に、反射星雲は光害カットフィルター等の効きが悪く、とどめにこの領域が撮りやすい時期は夜の時間が短かったり梅雨時だったりと、不利な条件に事欠きません。本来は、空の暗いところで仕上げてしまうべき対象です。
この対象は過去にもチャレンジしたことがあったのですが、その時は近くにあるLED照明からの迷光が邪魔をして、まともな画像になりませんでした。そこで今回は照明の少ない河川敷にて撮影を行いました。フードの延長など、対策も強化して臨んだのですが、結果としては残念ながら迷光の影響は除き切れず。後処理の結果、かろうじてみられる程度にはなりましたが、できれば対策をさらに万全にしたうえで再チャレンジしたいところです。

こちらは、写真内に写っている主な天体について注釈を入れたもの。アンタレスにまとわりつくIC4606やさそり座σ星アルニヤト周辺のSh2-9、同τ星パイカウハレを中心に広がるLDN1103といった散光星雲は見えていますし、IC4603、IC4604、IC4605といった反射星雲も中心部は見えているので、都心からでも全く無理な対象というわけでもなさそうです。
オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。わずかにアンタレスがにじんだようになっていて、散光星雲の存在がかろうじて察せられますが、それ以外は全く分かりません。