オメガ星雲 M17(散光星雲、いて座)
撮影日時 | 2017年4月29日 |
---|---|
撮影機材 | ミニボーグ60ED+マルチフラットナー 1.08×DG(D60mm, f378mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | ISO100、900秒×8コマ |
備考 | IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用 |
いて座にある散光星雲で、わし星雲(M16)のすぐ南にある明るい散光星雲です。M16は写真写りのわりに眼視ではあまり見えませんが、M17の方は中心部が比較的明るいので、都心でも双眼鏡や小望遠鏡で存在は分かります。暗い空のもと、大きい望遠鏡で見るとギリシア文字の「Ω」のように見えるということから「オメガ星雲」という愛称がついていますが、写真を見る限りなかなかそうは見えません。上下を逆にすると、湖に浮かんだ白鳥のようにも見えることから「白鳥星雲」の愛称もあり、どちらかというとこちらの方がしっくりきます。
明るい星雲だけに写真写りもよく、撮るだけなら街なかからでも割と簡単に写ります。しかし、このあたりは周囲に淡いガスがあちこちに広がっているうえ、M17自体も周縁部はかなり淡いので、全体をきれいに撮ろうとするとなかなか大変です。おまけに、前述のようにあちこちでガスが淡く輝いているため、特に街なかからだと、どこからが光害でどこまでがガスなのか判別が難しくフラット補正は困難を極めます。
今回は高度が上がりきらないうちから撮影を始めたため、特に最初の1~2コマは光害の影響がひどかったのですが、丁寧にフラット補正とカブリ除去を行った結果、影響をなんとか最小限に抑え込むことができました。また、周縁部やM17周囲の淡いガスについては、マスク処理をフル活用して中心部の飽和を抑えつつ、階調を圧縮して両立を目指しました。結果として、右下にうっすら見える散光星雲IC4701をはじめ、淡いガスがそれなりに見えてきています。
星の処理にはまだ課題が若干残りますが、都心からの撮影にしては、まずまずよく写った方ではないかと思います。
オリジナル画像
コンポジット&処理前の画像です。明るい中心部はさすがによく見えますが、周辺の淡いガスは光害に埋もれてほとんど分かりません。