光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

M15(球状星団、ペガスス座)

撮影日時 2023年8月18日
撮影機材 ビクセン ED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 ペンシルボーグ(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 0℃, Gain=300, 露出30秒×64コマ
備考 IDAS LPS-D1使用

ペガスス座にある球状星団です。星座絵ではペガススの鼻先の位置にあり、M2のほぼ真北に相当します。カタログ上の見かけの大きさは18秒角、明るさは6.2等と、M2同様かなり大きく見ごたえがあります。地球からの距離は33600光年、実際の直径は約175光年です。

球状星団における星の集中度を表す尺度である「シャプレー・ソーヤー集中度」では上から4番目の「クラスIV」に相当しますが、この星団では満遍なく星が集中しているのではなく、中心部に向けて直線的に星の密度が上昇しています。結果として核の密度は極めて高くなっていて、中心部からX線の放射が検出されていることもあり、中心には銀河同様に大質量ブラックホールがあるのではないかとも考えられています。

また、星団内部には「Pease1」と呼ばれる惑星状星雲が存在していることが知られています(参考)。球状星団内部に惑星状星雲が見つかっているのは、このM15とM22だけです。視直径が約1秒角と極めて小さいこともあり、残念ながらこの写真では確認できませんが、機材と腕に自信のある人は狙ってみても面白いかもしれません。

撮影においてはM2と同様、ゲインを高めに、かつ1コマごとの露出時間を控えめにしてラッキーイメージング的な効果を期待しています。また、撮影後の処理は、相手が球状星団ということもあって精細感に注意。加えて星団中心部と周辺との階調差も大きいので、「デジタル現像」を多段階で掛けて白飛びさせないように処理しています。本当は「デジタル現像」を複数回掛けたり、「デジタル現像」後にレベル調整したりするのは、軟調になりすぎたり明暗差が正しく表現できなかったりするので不適切なのですが、ここでは副作用を認識したうえであえて行っています。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。中心部が非常に明るく写っていて、星団中心への星の集中度合いがよく分かります。。

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