光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

部分月食 2021年11月19日

2021年11月19日、食分の非常に深い部分月食が見られました。この月食の最大食分は0.978で「ほぼ皆既月食」と言ってよいものです。この半年前にあった「本当の皆既月食」は、悪天候で観測できなかったので、そのリベンジとして貴重な機会でした。

ちなみに、一部メディアでは「部分月食にしては食分が極端に深い」という点のみを捉えて「百数十年ぶり」などと煽っていましたが、月がこのくらい欠けるのは毎度の皆既月食の過程で発生していますし、特段珍しいことではありません。

月食の始まり

撮影日時 2021年11月19日16時49分49秒
撮影機材 ビクセンED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセンSXP赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5
感度・露出時間 ISO100、1/4秒
備考 地平座標になるよう画像を回転

この日の月食は、東京では月の出前にすでに始まっていて、月が欠けた状態で地平線から昇ってくるいわゆる「月出帯食」でした。この時の食分はすでに0.41に達しています。

見てのとおり半月状の月が昇ってくるのですが、普段の満ち欠けと違い、欠けた月がまっすぐ立ったまま昇ってくるので違和感がすごいです。高度が低い(このとき約3度)ので、少し楕円形にひしゃげて見えています。

食の最大

撮影日時 2021年11月19日18時4分16秒
撮影機材 ビクセンED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセンSXD赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5
感度・露出時間 ISO100、10秒

月の出以降は雲が厚くなり観測できない時間帯が続いたのですが、小1時間ほどたった17時半ごろから、雲の切れ間から月がまた見えるようになりました。そして、食の最大のころには月周辺の雲が取れてかなりハッキリと。

この写真はほとんど強調していないので、色合いなどほぼ見た目通りです。欠け際が青っぽく色づく「ターコイズフリンジ」もよく分かります。眼視でも見ましたが、想像以上にカラフルで美しい眺めでした。皆既ではないにしても、十分に素晴らしい眺めで大いに満足しました。

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