光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

NGC6210(惑星状星雲、ヘルクレス座)

撮影日時 2021年6月10日
撮影機材 セレストロン EdgeHD800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 セレストロン オフアキシスガイダー使用
オートガイダー StarlightXpress Lodestar
感度・露出時間 0℃, Gain=450, 露出2秒×160コマ
備考 IDAS NebulaBooster NB1フィルター使用
中心部をトリミング

ヘルクレス座にある惑星状星雲です。9等前後と明るい天体ですが、視直径が20秒角ほどしかない、非常に小さな天体です。大きい望遠鏡で観測すると、手足の生えた亀のように見えることから、"Turtle nebula"という愛称がありますが、「カメ」とは言わないまでも、惑星状星雲にしてはかなり不規則な形をしています。

惑星状星雲の御多分に漏れず、単位面積当たりの明るさが大きいので、この写真では1コマあたりの露出を2秒に抑えて多数枚撮影し、これをコンポジットした後にRegistax6でウェーブレット処理。さらに最大エントロピー法で画像復元をするという、惑星写真と同じ処理方法を取っています。加えて、周辺の淡い部分を少しでも表現するため、ステライメージ9にて、レベル調整やデジタル現像を組み合わせて周辺の淡い部分を持ち上げた後、これらを合成しています。

ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された写真と見比べると、粗いながらもその構造をちゃんと捉えているのが分かり、ちょっとした感動です。とはいえ、口径や焦点距離が絶対的に足りないのも事実。口径30cm近くあると、ずいぶん変わってきそうな気がしますが……。

ハッブル宇宙望遠鏡による写真(右)との比較
ハッブル宇宙望遠鏡(HST)で撮られた写真を、向きがおおよそ同じになるように並べてみました。

オリジナル画像

カメラで撮ったままの画像です。この星雲は単位面積当たりの明るさが大きいので、わずか2秒の露出でも容易に写りましたが、見かけの大きさがとてつもなく小さく、さすがにもっと大きな望遠鏡が欲しくなってきます。

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