NGC4567, 4568(系外銀河、おとめ座)
撮影日時 | 2021年4月11日 |
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撮影機材 | ビクセンED103S+レデューサーHD(D103mm, f624mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | モノクロ:ZWO ASI290MM カラー:ZWO ASI290MC |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | モノクロ:Gain=110, 300秒×8コマ カラー:Gain=110, 300秒×8コマ |
備考 | モノクロ:OPTOLONG Night Sky H-alphaフィルター使用 カラー:IDAS LPS-D1フィルター使用 |
おとめ座にある天体で、2つの系外銀河がまさに衝突している最中の姿です。こうした衝突銀河は決して珍しいものではなく、春の夜空でもからす座のアンテナ銀河など、複数の例が知られています。
このNGC4567とNGC4568のペアはアンテナ銀河に次いで有名なものですが、10等台のアンテナ銀河に比べて約11等と暗く、見かけの大きさもずっと小さなものです。上がNGC4567、下がNGC4568になります。
この写真は、最近の他の系外銀河写真と同様、近赤外画像をL画像とし、カラー画像とLRGB合成して仕上げたものです。都心で撮るには非常に暗くて淡い対象ですが、近赤外撮影の威力で姿を浮かび上がらせることができました。また、よく見ると、上のNGC4567の方がやや青味がかっているのが分かります。
ただ一方で、暗黒帯はやや不鮮明です。一般に赤外域での撮影の場合、暗黒帯は透けて写ってしまいます。これは、暗黒帯による減光の影響が短い波長の光ほど大きいためで、近赤外撮影の泣き所でもあります。もっとも今回の場合は、極端にクローズアップしたことでシーイングや微細なガイドズレの影響が出た可能性もあり、何とも言えないところです。
ちなみにこの銀河には"The Butterfly Galaxies"(ちょう銀河)という愛称がありますが、もう一つ有名な愛称として"The Siamese Twins"(シャム双生児)というのがあり、特にベテランの方にはこちらの方が馴染みがあるかもしれません。ただ、これはいわゆる結合双生児を指す俗称で、用語として不適切ということから、2020年8月、NASAはこの呼び名を使用しないことを表明しています。
オリジナル画像
コンポジット&処理前の赤外画像です。撮影時間帯が深夜にかかったこと、また天体の高度が上がってきたこともあり、背景のレベルはそれほど上がっていません。銀河の存在もよく分かります。
一方、こちらがコンポジット&処理前のカラー画像です。UV/IRカットフィルターのみ使用していることもあり、光害に飲まれて銀河の姿はほとんど分かりません。