M95, M96, M105(系外銀河、しし座)
撮影日時 | 2020年4月25日 |
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撮影機材 | ビクセン ED103S+SDフラットナーHD+レデューサーHD(D103mm, f624mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | ISO100、1200秒×8コマ |
備考 | IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用 |
春の夜空にはおとめ座方向を中心に数多くの銀河が見られますが、しし座にも小さな銀河群に属する銀河がいくつか見られます。M95とM96、M105は、近くのNGC3384、NGC3389などとともにそうした銀河の集団を形成しています。この集団は「しし座I銀河群(M96銀河群)」と呼ばれ、地球からは3千数百万光年離れています。
M95は棒渦巻銀河で、これを真上から見ている姿になります。写真では目玉のようなユーモラスな姿が確認できます。M96も棒渦巻銀河で、こちらは斜めから見た姿。M105は楕円銀河です。明るさはいずれも9~10等程度で、メシエ天体の中では暗い部類に入ります。
NGC3384はレンズ状銀河。M105よりわずかに暗い程度なので、M105を発見した時におそらく望遠鏡の同一視野に入っていたと思われるのですが、見逃されてしまったようです。NGC3389は渦巻銀河で、こちらはかなり暗く小さなものです。
これらの銀河はそれぞれ1度程度しか離れていないので、APS-Cのカメラなら、500mmほどの焦点距離でいっぺんに画角に収めることができます。とはいえ、同じしし座にある「しし座のトリオ」ことM65、M66、NGC3628の組み合わせと比べると、明るさ、大きさ、密集度いずれも劣るため、人気はいま一つのようです。
この領域は7年前に撮影していますが、当時は露出時間をあまりかけなかったため、今回は低感度で思いっきり露出時間をかけてみました。しかし、撮影した夜は空の透明度が非常に悪く、露出時間を伸ばした割に効果はほとんど見られませんでした。連続スペクトルで輝く銀河は特に光害に埋もれやすいので、空の条件に注意が必要です。
オリジナル画像
カメラで撮ったままの画像です。天体は天頂近くまで昇っていて、光害の影響は比較的少ないはずですが、大気の透明度が悪い分、光害がチリなどに反射されて空全体がすっかり明るくなってしまっています。かろうじて銀河中心部の存在が確認できる程度です。