光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

M79(球状星団、うさぎ座)

撮影日時 2023年2月17日
撮影機材 セレストロン EdgeHD800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 セレストロン オフアキシスガイダー使用
オートガイダー StarlightXpress Lodestar
感度・露出時間 -10℃, Gain=400, 露出15秒×128コマ
備考 IDAS LPS-D1使用

オリオン座の足元にある目立たない星座、うさぎ座にある球状星団です。メシエ天体としては、冬の夜空で唯一の球状星団になります。

球状星団は数十万個にも及ぶ星が狭い範囲に密集したもので、銀河系を取り巻くように存在しています。そのため、球状星団は地球から見て天の川の中心(=銀河系の中心)方向に数多く見られます。

球状星団の分布
球状星団の分布
メシエ天体やNGC天体など、主な球状星団を図示しています。球状星団の多くは銀河系の中心方向に集まっています。南天のかじき座(オリオン座のずっと南)付近にも球状星団が集まっていますが、これらはほとんどが大マゼラン雲所属のものです。

ところが、M79があるのはこれと正反対の方向です。これは、M79が本来の銀河系のメンバーではなく、銀河系に飲み込まれつつある別の銀河「おおいぬ座矮小銀河」のメンバーだったためです。同様の矮小銀河としては、NGC1851(はと座)、NGC2298(とも座)、NGC2808(りゅうこつ座)の3つが知られています。

おおいぬ座矮小銀河由来の球状星団
おおいぬ座矮小銀河由来の球状星団

このM79、見かけの直径が10秒ほどとM13の半分程度しかなく、焦点距離約2000mmのEdghHD800を使ってもこの程度のサイズにしか写りません。一方で地球からの距離はM13が2万5000光年、M79が4万2100光年と倍近く違うので、実際のサイズにはそれほど大きな差はなかったりします。

星団の右下を、一直線に黒い筋が横切っているのが面白いところです。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。球状星団らしく、星がぎゅっと密集しているのがこの段階でも分かります。

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