光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

プレアデス星団 M45(散開星団、おうし座)

撮影日時 2022年9月27日
撮影機材 ビクセン ED103S+SDフラットナーHD+レデューサーHD(D103mm, f624mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 0℃, Gain=100, 600秒×14コマ
備考 IDAS LPS-D1フィルター使用

「プレアデス星団」や「すばる」の名前で知られるM45は、年齢約6000万~1億年の若い星からなる散開星団です。明るいので、都心でも肉眼で容易に存在が分かる数少ない星雲・星団の1つです。もっとも、1つ1つの星を見てみると、一番明るいアルキオーネでも2.87等。あとは3.5等以下の星しかなく、意外と暗いことに驚かされます。それでも明るく見えるのは、これらの星が狭い範囲内に集中しているためです。

M45の星々の周囲には淡いガスが広がって青白く輝いていますが、これは星団と直接関係のない星間ガスが星団の光を反射して輝いているものです(このような天体を「反射星雲」と呼びます)。双眼鏡や望遠鏡でM45を観察すると星がわずかににじんだように感じることがありますが、これはこの反射星雲のせいです。

空の暗いところであれば、M45を取り巻く反射星雲は比較的簡単に写るのですが、都心からこれをきれいに撮ろうとすると激しい光害のせいでなかなか大変です。しかも、最近はLED照明が普及して光害も連続スペクトルになってきていますので、特徴的な色のない反射星雲はなおさらです。

M45は過去にも何度か撮っていますが、今回は淡い光をしっかり捉える冷却CMOSカメラを使用するとともに、画像処理においてもフラット補正を可能な限り厳密に行うことで、反射星雲を今まで以上にしっかりと写しだすことができました。

しかし、都心の光害は酷くなる一方で、質的にもLED照明の広がりでフィルターでのカットが難しくなってきています。こうした無茶が効くのも今のうちだけかもしれませんね。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。明るい星団なので星の配置は明確ですが、さすがにこの時点では、反射星雲は影も形も見えません。

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