光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

プレアデス星団 M45(散開星団、おうし座)

撮影日時 2019年10月5日
撮影機材 ビクセン ED103S+SDフラットナーHD+レデューサーHD(D103mm, f624mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5
ガイド鏡 ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 ISO100、900秒×8コマ
備考 IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用

「プレアデス星団」や「すばる」の名前で知られるM45は、年齢約6000万~1億年の若い星からなる散開星団です。明るいので、都心でも肉眼で容易に存在が分かる数少ない星雲・星団の1つです。

写真を見ると、星の周りに青白いガスが淡く広がっているのが分かります。これは、宇宙空間を漂うガスや塵が星団の星々の光を反射して光っているものです(このような天体を「反射星雲」と呼びます)。双眼鏡や望遠鏡でM45を観察すると星がわずかににじんだように感じることがありますが、これはこの反射星雲のせいです。

M45の周辺はこのようにガスや塵が豊富なため、空の暗いところでこの付近を撮影すると雲のようにガスや塵の塊が写ります。こうしたものを「分子雲」という(これの特に明るいものが「反射星雲」になります)のですが、これをきれいに写し取るには空の暗さと丁寧な画像処理が不可欠です。都心からではとても描写不可能と思われる代物ですが、過去、M42を撮影した際には捉えることに成功していますし、今回も多少の期待を持って撮影に臨みました。

M45は過去にも撮影していますが、当時よりも露出時間を大幅に伸ばし、また画像処理もより丁寧に行いました。結果として、分子雲を抽出するには至らなかったのですが、焦点距離が伸びたうえ、露出をたっぷり与えたこともあって、星雲の描写は格段に良くなったと思います。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。反射星雲はハッキリ視認はできませんが、M45を構成する星がわずかににじんだように見えていて、ガスの存在を示唆しています。

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