プレアデス星団 M45(散開星団、おうし座)
撮影日時 | 2016年11月6日 |
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撮影機材 | ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG(D60mm, f298mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | ISO200、480秒×15コマ |
備考 | IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用 |
「プレアデス星団」や「すばる」の名前で知られるM45は、年齢約6000万~1億年の若い星からなる散開星団です。明るいので、都心でも肉眼で容易に存在が分かる数少ない星雲・星団の1つです。もっとも、1つ1つの星を見てみると、一番明るいアルキオーネでも2.87等。あとは3.5等以下の星しかなく、意外と暗いことに驚かされます。それでも明るく見えるのは、これらの星が狭い範囲内に集中しているためです。
写真を見ると、星の周りに青白いガスが淡く広がっているのが分かります。これは、M45とは直接関係のない星間ガスが、星団の星々の光を反射して光っているものです(このような天体を「反射星雲」と呼びます)。双眼鏡や望遠鏡でM45を観察すると星がわずかににじんだように感じることがありますが、これはこの反射星雲のせいです。
これを撮影した日は、湿度が高くて空の透明度が悪く、光害の影響もかなり大きく出ていました。光害には青~緑色の成分がかなり多く、そのような中で青く淡いガスを浮かび上がらせるのはなかなか大変でしたが、感度設定をISO200まで下げて露出時間を稼いだかいあってか、どうにかあぶりだすことができました。それでも明確な露出不足を感じましたので、できればもう少し条件のいい日に、露出ももっとかけて撮りたいところです。
なお、画像処理をしていると、写真で星団の上下あたりの領域でフラット補正がどうにも決まらず困ったのですが、どうやらこのあたりにも広がっているはずのごく淡いガスの影響のようです。特に星団の北側あたり、わずかに背景が青みがかって見えるのは、どうやら気のせいではなさそうです。
ちなみに、今回は天文改造カメラではなく、先日中古で入手した未改造のKissX5を用いて撮影しています。赤い光の透過性の高さが災いして、天文改造カメラだと「赤ハロ」が目立ちやすいのですが、一般品だとIRカットフィルターが長波長側をカットしてくれるため、多少マシなような気がします。
オリジナル画像
コンポジット&処理前の画像です。空のコンディションが悪かったこともあり、周辺の反射星雲はほとんど分かりません。それでも、M45を構成する星がわずかににじんだように見えていて、ガスの存在を示唆しています。