光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

プレアデス星団 M45と金星の接近

撮影日時 2020年4月3日
撮影機材 ミニボーグ60ED+マルチフラットナー1.08×DG(D60mm, f378mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3
ガイド鏡 ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 ISO100、60秒×16コマ+30秒×16コマ
備考

おうし座の散開星団、プレアデス星団(M45, すばる)は黄道に近い位置にあるため、しばしば惑星と大きく接近します。2020年4月上旬は、まさにこのプレアデス星団と金星とが大接近していました。この写真は4月3日の夕方、薄雲越しにプレアデス星団と金星を捉えたものです。

プレアデス星団の明るさは、構成する星の中で最も明るいアルキオーネが2.85等。一方、現在の金星は東方最大離角を過ぎて最大光輝に向かっているところで、明るさは-4.4等。明るさは1等違うごとに2.5倍違いますから、アルキオーネと金星の明るさの差は実に2.5(2.85+4.4)=767倍にもなります。これほど差があっては、プレアデス星団の微細な表現など金星の光に邪魔されてとても無理ですし、そもそも金星をある程度点状に写すためには露出をかなり控えなければなりません。

そこで、30秒露出と60秒露出の2パターンで撮影を行い、これらを元に軽く仕上げてみました。明るさに差がありすぎて、暗い星やプレアデス星団周辺の反射星雲はとてもじゃないけど写りませんが、とりあえずプレアデス星団の存在は分かるので良しとしましょう。記念写真としては十分でしょう。

ちなみにですが、このようなプレアデス星団と金星の接近はおよそ8年ごとに起こります。そこでこの先の接近を確認してみると、2060年4月4日の夕方がなかなかすごいです。

なんと、直径7度の視野内にプレアデス星団と月齢3.3の月、金星、木星、土星がすべて入ってしまうのです。双眼鏡で観望するのにちょうどいい集まり具合で、かなりゴージャスな眺めになりそうです。

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