M41(散開星団、おおいぬ座)
撮影日時 | 2020年11月14日 |
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撮影機材 | ミニボーグ60ED+マルチフラットナー 1.08×DG(D60mm, f378mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | ZWO ASI2600MC Pro |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | -20℃, Gain=0, 露出120秒×8コマ |
備考 | IDAS LPS-D1使用 |
全天一の明るさを誇るおおいぬ座のシリウス。そのすぐ南側にある明るい散開星団です。見かけの大きさは満月よりも大きく、明るさも4.5等と非常に立派なものです。
ところが、写真に撮るとなると話が違ってきます。一般に、散開星団の写真は「星の数」と「星の色」がものを言うので、光害まみれの都心からだと、きれいに撮ろうとすると意外と難しい対象です。星の数を増やすには露出を増やせばいいのですが、そうすると星の色が真っ白に飛んでしまい、非常に地味な絵面になってしまいます。光害が少なければ、短時間露出でも十分な数の星が写るはずなのですが……。
今回は仕方がないので、露出時間を短めにして撮影段階で色情報を落とさないようにした上で、処理段階においてレベル調整で微光星を強調、そしてデジタル現像の段階で色彩強調を行っています。このプロセスはあくまでもデジタル現像の一環なので、その効果は階調圧縮がかかる領域……つまり恒星などの輝度の高い部分に優先的に表れます。これによって、星の色がハッキリした星団の写真になります。
都心で撮った割には、まずまず見栄えのする仕上がりになったのではないかと思うのですが、どうでしょうか?とはいえ、やはり星団の写真は難しいです。
オリジナル画像
コンポジット&処理前の画像です。冷却CMOSカメラだと強調処理が一切ないので「撮って出し」だとほとんど真っ黒にしか見えません。ここからいかに微光星を浮き上がらせ、星の色を強調していくかが腕の見せ所です。