M38(散開星団、ぎょしゃ座)
撮影日時 | 2021年10月11日 |
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撮影機材 | ビクセン ED103S+SDフラットナーHD+レデューサーHD(D103mm, f624mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | ZWO ASI2600MC Pro |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | 0℃, Gain=0, 露出90秒×8コマ |
備考 | IDAS LPS-D1使用 |
冬の夜空高くに五角形を描くぎょしゃ座は、その真ん中を天の川が横切っていることもあって散光星雲や散開星団の宝庫です。
特に有名なのは、五角形の中ほどに並んだ3つの明るい散開星団で、それぞれに特徴があって、見比べてみると楽しいものです。ここに示したのは、3つの散開星団の中央にあるM38です。
M38のカタログ上での明るさは6.4等。見かけの大きさは約21分と、M36とM37との中間の大きさです。とはいえ、星の集まり具合はまばらで、数字よりは散漫な印象を受けます。地球からの距離は約4200光年で、ここから計算すると、星は直径約25光年の範囲に広がっていることになります。星団を構成する星の年齢は約2億2000万年程度です。
なお、M38の南側にはNGC1907(8.2等)という小さな散開星団があります。小さく見える原因の1つはNGC1907の方がM38より遠くにあるためですが、こういうのは宇宙の奥行きが感じられて楽しいものです。
一般に、散開星団の写真を見ごたえのあるものにしようとすると、暗い星も含めなるべく多くの星を写したくなるのですが、そのために露出を増やすと星の色が真っ白に飛んでしまいます。かといって、露出を減らすと星の数が減りますし、レベル調整で暗い星まで浮かび上がらせようとすると、やはり星像が白飛びしてしまいます。
そこでここでは、低ゲイン、短時間露出で撮影段階で色情報を落とさないようにした上で、処理段階においてレベル調整で微光星を強調、そしてデジタル現像の段階で色彩強調を行っています。このプロセスはあくまでもデジタル現像の一環なので、その効果は階調圧縮がかかる領域……つまり恒星などの輝度の高い部分に優先的に表れます。これによって、星の色がハッキリした星団の写真になります。
都心で撮った割には、まずまず見栄えのする仕上がりになったのではないかと思うのですが、どうでしょうか?
オリジナル画像
コンポジット&処理前の画像です。冷却CMOSカメラだと強調処理が一切ないので「撮って出し」だとほとんど真っ黒にしか見えません。それでも、写るものはちゃんと写っています。