亜鈴状星雲 M27(惑星状星雲、こぎつね座)
撮影日時 | 2019年8月3日 |
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撮影機材 | ビクセン ED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | ISO100、900秒×12コマ |
備考 | IDAS Nebula Booster NB1フィルター使用、中央部をトリミング |
こぎつね座にある大型の惑星状星雲です。見かけの大きさは8.0×5.7分角にもおよび、明るさも7.4等に達します。惑星状星雲として最初に発見された天体で、1764年、シャルル・メシエによって記録されました。以来、数多くの観測がなされ、現在では見かけの大きさが100年間に約6.8秒ほど大きくなっているのが確認されています。ここから逆算すると、星雲が膨張を始めたのは3000~4000年前と推定されています。
M27の中央には青白い星が見えますが、13等のこの星から過去に放出されたガスが、同じくこの星からの紫外線を受けて蛍光灯のように光っているのがM27の正体です。この光はガスの成分によって波長が決まっていますが、惑星状星雲の場合はその多くが酸素原子由来のOIII(青緑色:λ=496nm & 500nm)、水素原子由来のHα(赤:λ=656nm)およびHβ(青緑色:λ=486nm)で輝いています。そこで、これらの光のみを通すフィルターを用いて撮影すると、光害をほぼ完全にシャットアウトしたうえで、非常にコントラスト高く惑星状星雲を捉えることができます。
今回は、OIIIやHβ、Hαのみを選択的に透過するNebula Booster NB1フィルターを用い、長時間露出でM27の比較的淡いところまで描き出すことを狙いました。その甲斐あってか、星雲本体を比較的低ノイズで鮮やかに写し出すことができました。極方向に広がる淡いガスも確認できます。
オリジナル画像
コンポジット&処理前の画像です。さすがは「準ナローバンド」とでもいうべきNB1フィルターで、いつもなら光害で容赦なく上がってくる背景レベルが、まったく上がっていません。撮って出しで十分星雲本体を確認できるほどで、その威力には目を見張ります。