かに星雲 M1(超新星残骸、おうし座)

撮影日時 | 2017年1月2日 |
---|---|
撮影機材 | セレストロン EdgeHD800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | セレストロン オフアキシスガイダー使用 |
オートガイダー | StarlightXpress Lodestar |
感度・露出時間 | ISO100、600秒×8コマ |
備考 | IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用 |
おうし座にある、メシエ天体として唯一の超新星残骸です。書物によっては「惑星状星雲」に分類されていることもありますが、どちらも中心星からの電磁波で輝いているという点では同じものの、「惑星状星雲」が星の一生の最終期に放出された星の外層ガスから成るのに対し、「超新星残骸」は超新星爆発で吹き飛ばされた星の構成成分と周辺の星間物質が、超新星爆発後に残された中性子星からの強烈な電磁波を受けて輝いているもので、成因が全く異なります。かに星雲の場合、超新星爆発で吹き飛ばされたガスは現在も秒速1000km以上のスピードで広がりつづけているので、長年にわたって撮影を続けていると星雲が広がっていく様子が分かるかもしれません。
写真で見ると、白いモヤッとしたガスに「かに星雲」の名前の由来となった赤いフィラメント状の構造がまとわりついているのが分かります。前回撮影した際は、シーイングが悪かったりガイド精度が甘かったりしたせいでフィラメントのシャープさが足りませんでしたが、今回はシーイングが比較的マシだった上、オフアキシスガイドによりガイド精度が上がり、よりフィラメントっぽく写ってくれました。
欲を言えばもう一息シャープさがほしいところですが、このあたりはやはりシーイングの問題が大きいのだろうと思います。長波長側の光はシーイングの影響を相対的に受けづらいので、Hαのナローバンド画像でもブレンドでもすればもう少しマシになりそうな気はします
オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。有名な天体の割に淡く、一見しただけでは存在が分かりません。よく目を凝らすと、ぼうっとした光芒が中央付近に広がっているのが分かります。