オメガ星雲 M17(散光星雲、いて座)

撮影日時 | 2025年7月25日 |
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撮影機材 | ミニボーグ55FL+レデューサー0.8×DGQ55(D55mm, f200mm)、赤道儀化AZ-GTiマウント |
使用カメラ | ZWO ASI533MC Pro |
ガイド鏡 | 32mm F4ガイドスコープ |
オートガイダー | ZWO ASI290MM |
感度・露出時間 | 0℃, Gain300, 180秒×40コマ |
備考 | Optolong L-Ultimateフィルター使用 |
いて座にある散光星雲で、写真中央にひときわ明るく写っているのがそうです。簡易架台である「赤道儀化AZ-GTiマウント」を用い、デュアルナローバンドフィルターであるL-Ultimateで周辺のHII領域もろとも捉えてみました。

ちなみに、写真では極めて淡いガスまで写っているので「オメガ星雲」という愛称の由来がもはやほとんど分かりませんが、上の写真のように、明るい中心部を倒立像で見たときにギリシア文字の「Ω」に見えるから、ということのようです。また、湖に浮かんだ白鳥のようにも見えることから「白鳥星雲」の愛称もあり、どちらかというとこちらの方がしっくりきます。
明るい星雲だけに写真写りもよく、デジカメを使っていた頃も何度か撮影していますが、当時は機材やテクニックにも限界があり、周辺のHII領域まではとても捉えられませんでした。今回はそのあたりをしっかり浮かび上がらせています。用いた機材は比較的簡素なものですが、これでここまで写ってくれるとなかなか楽しいものです。

アノテーションを加えたのがこちらですが、名前のついていない領域が「これでもか!」というくらいあります。この中でちょっと毛色が違うのは「RCW 159」という天体。この天体はHII領域としてカタログ化されましたが、後に、これが超新星残骸(SNR)「G015.1-01.6」の電波放射と一致していることが分かり、この天体が超新星残骸を光学的に検出したものであることが確定しました。なお、この天体までの距離は約7000光年。地球からM17までの距離が約5000光年と言われているので、それよりも後ろにあることになります。
オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像およびレベル調整のみ行った画像です。明るい星雲なので強調前からその姿がハッキリ分かり、強調すると周辺の淡いガスまで浮かび上がってきます。