ソンブレロ銀河 M104(系外銀河、おとめ座)

撮影日時 | 2017年2月26日 |
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撮影機材 | セレストロン EdgeHD 800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | セレストロン オフアキシスガイダー使用 |
オートガイダー | StarlightXpress Lodestar |
感度・露出時間 | ISO100、900秒×8コマ |
備考 | IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用 |
おとめ座とからす座の境界付近にある銀河で、形がメキシコのソンブレロという帽子に似ていることから、「ソンブレロ銀河」という愛称がついています。
おとめ座方向には銀河の巨大な集団である「おとめ座銀河団」が存在していますが、M104はそのメンバーではないと考えられています。従来は渦巻銀河を横から見た姿だと思われていましたが、2012年、スピッツアー宇宙望遠鏡による赤外線観測により、楕円銀河の中に円盤が収まった複雑な構造を持つことが明らかとなりました。なぜ、このような奇妙な構造を持つようになったのかについては、現在も研究が進められています。
この銀河については以前、ED103Sで狙ったことがありますが、系外銀河のご多分に漏れず視直径が小さいので、ある程度の大きさに見せるためにはトリミングが必須でした。今回は、倍以上の焦点距離を持つEdgeHD800でクローズアップしてみました。
M104は明るく、集光のしっかりした銀河なので、都心でも意外とよく写ります。この写真でも円盤状の構造とその円周にある暗黒帯がハッキリ写っています。ただ、東京では南中時でも高度が40度程度とやや低く、シーイングの影響を受けやすいのが難点。この写真では、よーく見ると「暗黒帯の詳細の片鱗」がわずかに感じられますが、より詳細を捉えようとするなら、良好なシーイングや大口径の望遠鏡に加え、最大エントロピー法のような画像復元処理や、高感度CMOSカメラによるラッキーイメージングが必要になりそうです。
オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。明るい銀河なので、この時点でも真横に走る暗黒帯を含め、その姿がハッキリ分かります。ただし、処理後の画像と比べると分かる通り、周囲には淡い領域がさらに大きく広がっています。