光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

まゆ星雲 IC5146(散光星雲、はくちょう座)

撮影日時 2020年10月20日
撮影機材 ビクセン ED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 ペンシルボーグ(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 0℃, Gain=0, 露出900秒×8コマ
備考 IDAS LPS-D1使用

はくちょう座にある散光星雲です。位置としては、はくちょう座ととかげ座の境界付近に当たります。視直径12'ほどの小さな星雲で、その形から「まゆ星雲(Cocoon Nebula)」という愛称があります。

写真を見ると、散光星雲部分には暗黒帯が入り組み、ちょうどいて座の三裂星雲(M20)のような印象です。そしてその周囲を淡い反射星雲が取り巻き、背景には暗黒星雲B168が重なって、まるで星雲が尾を引きながら、天の川をフワフワと漂っているかのように見えます。「まゆ星雲」という愛称は、おそらくは星雲を取り巻く反射星雲の光芒が繭のように見えるところからだろうと思いますが、個人的には色合いといい、星雲の中を走る暗黒帯の具合といい、どうにも「梅干し」にしか見えません(^^;

この写真では、撮影時のフィルターとしてLPS-D1を使っていますが、これは反射星雲を捉えるため。一般に、散光星雲など輝線で輝く星雲については、NebulaBooster NB1のような輝線に特化したフィルターが効果的なのですが、こうしたフィルターは連続スペクトルで輝く対象を苦手にしています。今回はLPS-D1を用いた上でじっくり露出をかけ、さらに画像処理時に「Silver Efex Pro 2」による強調処理(フルダイナミック(弱))を噛ませることで、淡い反射星雲も表現することができました。あわよくば分子雲も……と思ったのですが、さすがにそこまで甘くはなかったようです。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。露光を抑えたこの状態だと分かりませんが、強調してみると、中心部には星雲の赤い色も非常にうっすらとですが、たしかに見えています。

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