光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

ハート星雲 IC1805 & 胎児星雲 IC1848(散光星雲、カシオペヤ座)

撮影日時 2019年11月1日
撮影機材 ミニボーグ55FL+レデューサー0.8×DGQ55(D55mm, f200mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3
ガイド鏡 ペンシルボーグ(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 ISO100, 露出900秒×16コマ
備考 IDAS NebulaBooster NB1フィルター使用

カシオペヤ座にある大型の散光星雲です。西側(写真右側)にあるのがIC1805、東側にあるのがIC1848で、その形からそれぞれ「ハート星雲」、「胎児星雲」という愛称がつけられています。ちなみに海外では、IC1805の方は「Heart nebula」と同じですが、IC1848はHeartと対になる意味で「Soul nebula」と呼ばれています(2つ合わせて「Heart & Sowl nebulae」)。なお、ハート星雲の右側にひときわ明るい領域がありますが、ここにはIC1795というまた別のカタログ番号が振られています。

このあたりは星の形成が活発に行われている場所で、生まれたばかりの恒星の集団である散開星団が複数見られます。加えて、秋の天の川の中にあるので微光星が多く、写真に撮ると非常に賑やかな領域ですが、星形成領域の常で、これらの星雲はもっぱら水素由来のHα線で輝いていて肉眼ではほとんど見えません。

そこで今回は、Hβ線とOIII線、Hα線のみを主に通すNebulaBooster NB1フィルターを用いてみました。以前、従来型の光害カットフィルターであるLPS-P2を用いて同構図の撮影をしましたが、それと比べると大幅にコントラストが上がり、淡いところまで浮かび上がってきてくれました。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。渋谷、新宿方面からの激烈な光害にもかかわらず、この時点で星雲の姿がすでに見えていて、NebulaBooster NB1フィルターの威力を思い知らされます。

<< 前のページに戻る

↑ PAGE TOP