NGC5364周辺の銀河群(系外銀河、おとめ座)
撮影日時 | 2020年2月1日 |
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撮影機材 | ビクセン ED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | ISO100、1200秒×8コマ |
備考 | IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用 |
おとめ座付近には「おとめ座銀河団」に代表されるように数多くの銀河が密集していますが、その中心部から外れたおとめ座の東側に、NGC5364を中心とした小さな銀河群があります。比較的暗い銀河が多いですが、それぞれの銀河の形はバラエティーに富んでいます。
中心となるNGC5364は典型的な渦巻き銀河で、形状的には、ハッキリとした腕が見られる「グランドデザイン渦巻銀河」に分類されます。上の写真で中央左下に見えるのがそれですが、細いながらも本体をぐるっと1周以上するほどの腕が存在するのが分かります。ただ、その構造はすぐ上に見えるレンズ状銀河NGC5363からの重力によって歪んでいます。この写真には、ほかにも多数の銀河が写り込んでいます。分かる範囲で注釈を入れたのが以下の図。相当な数の銀河が集まっているのが分かります。
なお、注釈にあるAbell(エイベル) 1809ですが、これははるか遠方、地球から10億光年ほども離れた銀河群です。
この付近を拡大すると、暗い星のような、でも星とは少し違う像が見えますが、これの多くが1つ1つの銀河です。ただ、これらの銀河をはっきり識別するためには、好シーイングと長焦点の鏡筒が必要でしょう。
今回の写真では1コマ当たりの露出時間を20分にまで伸ばして撮影しましたが、大気の透明度にも助けられ、思いのほか暗い系外銀河まで写った印象です。10cmという小口径でもこれだけ写ってくれると楽しくなってきます。
オリジナル画像
コンポジット&処理前の画像です。20分の露出を与えたとはいえ、都心の光害の中では集光の強いNGC5363以外はほとんど分かりません。