光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

NGC4565(系外銀河、かみのけ座)

撮影日時 2018年3月25日
撮影機材 セレストロン EdgeHD 800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3
ガイド鏡 セレストロン オフアキシスガイダー使用
オートガイダー StarlightXpress Lodestar
感度・露出時間 ISO800、600秒×8コマ
備考 IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用

かみのけ座にある系外銀河です。典型的な「エッジオン」(銀河を真横から眺めている状態)の銀河で、細長い見た目から"Needle galaxy"の愛称を持つ天体です。

メシエ番号のついていない銀河の中では比較的明るく大きいものの1つで、長辺は満月の半分ほど(約15秒)もの広がりがあります。一方、厚さ方向には約2分ほどしかなく、一般的な渦巻銀河がいかに薄っぺらい形をしているかがよく分かります。

かみのけ座の方向には数多くの系外銀河が見られますが、これはこのあたりがちょうど銀河系の厚み方向に当たっていて、銀河系内の物質に邪魔されることなく遠くまで見通せるためです。このNGC4565の形を思い浮かべると、そのあたりは実感できるのではないでしょうか?

カタログの数字上では、NGC4565の明るさは約10等で決して明るいとは言い難いのですが、このようなエッジオンの銀河は淡い部分が少ないため、比較的写真写りのいい対象です。とはいえ、都心からの撮影だと光害の影響もあってそれなりに大変です。さらに今回の撮影では風や雲の影響で根本的に露出が不足気味の上、シーイングがあまり良くなかったこともあって、エッジ部分に伸びる暗黒帯の詳細の表現などにやや不満が。条件が良ければもっと迫力のある表現が可能なはずです。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。大きく明るい銀河なので、この時点でも真横に走る暗黒帯を含め、その巨大な姿がハッキリ分かります。東京都心での撮影でこれだけ見えるというのは、エッジオン銀河ならではです。

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