NGC2903(系外銀河、しし座)
撮影日時 | 2020年1月31日 |
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撮影機材 | ビクセン ED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | ISO100, 1200秒×8コマ |
備考 | RGB: IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用 中心部をトリミング |
しし座の棒渦巻銀河です。ししの鼻先にあるかなり明るく(9.7等)大きい(12.6秒×6.0秒)銀河で、メシエナンバーが付かなかったのが不思議なくらいの立派なものです。いわゆる「スターバースト銀河」に分類される系外銀河で、若い星が爆発的な速度で活発に生まれ続けています。それを反映するように、星の原材料となる分子雲が複雑な暗黒星雲として見えており、また、腕には今まさに星が生まれている現場であるHα領域が複数見られます。
街なかからの系外銀河の撮影では、いつも光害の影響が非常に大きくて処理に苦労するのですが、今回は1コマ当たりの露出時間を思い切って20分にまで伸ばしてみました。そのおかげなのか、はたまた銀河がもともと明るかったからなのかは分かりませんが、想像以上によく写ってくれました。腕の中にはHα領域も確認できます。
ちなみに、このNGC2903のあたりを星図ソフトで表示すると、NGC2905というのが寄り添っています。
実はこのNGC2905、今はNGC2903とされている銀河の腕の一番濃い部分のことなのです。つまりこういうことです。
この銀河を発見したハーシェルの時代は当然写真などないですから、銀河の核の部分と腕の一番濃い部分しか見えなかったのでしょう。その後、NGCカタログを編纂したドライヤーも両者の関係を見逃したようで、NGCカタログには2903と2905の2つの天体が掲載されるようになったというわけです。
オリジナル画像
コンポジット&処理前の画像です。明るい銀河の上、高度が高くて光害の影響が比較的少ないため、撮って出しの状態でも銀河の存在がよく分かります。