光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

M68(球状星団、うみへび座)

撮影日時 2024年4月14日
撮影機材 セレストロン EdgeHD 800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 セレストロン オフアキシスガイダー使用
オートガイダー StarlightXpress Lodestar
感度・露出時間 -10℃, Gain=350, 露出30秒×40コマ
備考 IDAS LPS-D1フィルター使用

M68はうみへび座の尾の方、からす座に近い位置にある球状星団です。地球からの距離はおよそ33000光年。視直径は11分ほどで、北天最大級の球状星団M13の半分ほどしかない、こじんまりとした星団です。

球状星団は、その星の密集度によって12段階に分類(シャプレー・ソーヤー集中度)されていますが、M68は下から3番目のクラスXに相当し、球状星団としてはかなりゆるい部類に属します。この写真でも、星団に属する個々の星が分離して見えています。

ちなみに、星団の北東側には「FI Hydrae」(FI Hya)というミラ型変光星があります。印をつけた赤っぽい星がそれで、約326日の周期で8.9等から15.2等まで変光します。変光幅が大きい分、この星の明るさがどのくらいかで、写真の印象は大きく変わります。直近で極大を迎えたのはおそらく2023年7月末で、2024年春現在はおおむね10~11等程度で見えています。極大のタイミングは毎年1か月ほど早くなるので、もう数年すると撮影好機と極大とが重なって、それなりに派手な見え方になるかと思います。

オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像およびレベル調整のみ行った画像です。集まりの緩いM68よりもむしろFI Hydraeの方が目立っています。

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