M40(二重星、おおぐま座)
撮影日時 | 2022年2月1日 |
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撮影機材 | セレストロンEdgeHD800+0.7x レデューサー(D203mm, f1422mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | ZWO ASI533MC Pro |
ガイド鏡 | ミニボーグ45EDII(D45mm, f335mm) |
オートガイダー | ZWO ASI120MM |
感度・露出時間 | -20℃, Gain100, 30秒×16コマ |
備考 | IDAS LPS-D1フィルター使用 |
M40は、かつてヘヴェリウスが「星雲がある」と報告した近辺を捜索中に、メシエが記録した二重星です。本来、メシエカタログは彗星と紛らわしい星雲を記録しておくために作られたものなので、二重星のように明らかにそれと分かるものを入れるのは、趣旨からすると適当ではありません。
しかしメシエは潔癖症で、切りのいい数字にこだわる性分だったので、明らかに星雲ではないこの天体をカタログにねじ込んだのだとも言われています。ただし、刊行されているカタログ等によっては、M40を欠番としているものも少なくありません。
なお、この二重星は後にWinnecke 4(ウィンネッケ 4)として二重星のカタログに収載されています。しかし、これらは相互に引力を及ぼしあっている「連星」ではなく、たまたま同じ方向に見えているだけの「見かけの二重星」で、右側のHD 238107までの距離が1140±100光年、左側のHD 238108までの距離が455±20光年と言われています。
この写真は、ガイドシステムの検証の際、隙間時間を使って撮影したもの。極めて地味な対象ですが、メシエ天体をコンプリートする上では欠かせません。なお、M40の右手には約12等の渦巻銀河NGC4290が写っています。おおぐま座近辺も天の川が薄く、遠くの銀河が意外とよく写りこむので、こうした領域を撮る場合は注意しておくと色々楽しいです。
オリジナル画像
カメラで撮ったままの画像です。Gain、露出時間ともに控えめなのでほとんど何も見えませんが、中心部には二重星がごくうっすらと写っています。検証していたガイドシステム自体は今一つで、この1コマでもわずかに流れています。