M109(系外銀河、おおぐま座)

撮影日時 | 2017年3月5日 |
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撮影機材 | セレストロン EdgeHD 800(D203mm, f2032mm)、ビクセン SXP赤道儀 |
使用カメラ | Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3 |
ガイド鏡 | セレストロン オフアキシスガイダー使用 |
オートガイダー | StarlightXpress Lodestar改 |
感度・露出時間 | ISO100、900秒×8コマ |
備考 | IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用 |
北斗七星の先端から3つ目の星、おおぐま座γ星フェクダ(2.4等)のすぐ近くにある棒渦巻銀河です。メシエの助手であるピエール・メシャンによって発見された銀河で、メシエカタログの99番目の天体として草稿に記されていたものです。ただ、位置の計算がカタログの出版に間に合わず、後からM108ともども追加されたという経緯があります。
しかし、その位置についての記述はおおざっぱで、この天体の正体が何であるかは議論があります。予想位置付近にはNGC3953とNGC3992という2つの銀河がありますが、赤経はNGC3953と、赤緯はNGC3992とそれぞれ一致していて決め手に欠けるのです。現在は「M109=NGC3992」とするのが主流ですが、メシャンの編集した星図においてNGC3953の位置に星雲が描かれていること、NGC3953の方がコンパクトにまとまっていて明るく感じられることなどから「M109=NGC3953」とする説もあります。ここでは「M109=NGC3992」としました。
メシエ天体の中では最も暗い部類に入る上、2等星のフェクダと角度にして40分ほどしか離れていないため、その明るさにも邪魔されて、メシエ天体の中ではもっとも観測が困難な天体の1つと言われています。この写真の撮影時も、フェクダからの光がオフアキシスガイダーのプリズムに反射したのではないかと思われるフレアが盛大に写りこみ、後の処理に支障をきたしました。最終的にフレアは何とか除去しましたが、その分、処理の余裕がなくなって銀河自体はなんとも冴えない写りに。ユニークな棒渦巻の形こそ分かりますが相当に淡く、たしかにかなりの難物です。
なお、M109はNGC3953含め、この周辺に点在する銀河とともに「M109銀河群」と呼ばれる集団を形成しています。この写真にも、よーく見るとM109の西側にUGC6969という暗い伴銀河が見えています。派手さでは「おとめ座銀河団」に負けますが、おおぐま座の方向もそれなりに銀河の密集地なので、その気になって写真をよく確認すると、結構な数の銀河が写っていることがよくあります。
オリジナル画像

コンポジット&処理前の画像です。中心部はかろうじて確認できますが、腕は全く分かりません。また、右上隅にオフアキシスガイダーのプリズム由来と思われる虹色のフレアが写りこんでしまっています。