光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

M103周辺(散開星団、カシオペヤ座)

撮影日時 2023年11月13日
撮影機材 Askar FRA300 pro(D60mm, f300mm)、ビクセン SXP赤道儀
使用カメラ ZWO ASI2600MC Pro
ガイド鏡 ノーブランドCCTVレンズ(f25mm, F1.4)
オートガイダー ZWO ASI120MC
感度・露出時間 -20℃, Gain=100, 露出60秒×68コマ
備考 ケンコー・トキナー PRO1D プロソフトン クリア(W)フィルター使用

カシオペヤ座は、秋の天の川の真ん中にあることもあり、散開星団の宝庫とも言える場所です。その中でM103を中心とした領域を捉えたのがこの写真です。

M103周辺の散開星団

M103はこの写真の右下で、青、赤、青の星の並びが特徴的です。メシエ自身の手で編纂されたメシエカタログ最後の天体でもあります(M104以降は後世に追加されたもの)。上の方の青い星はストルーベ131(Σ131)という、7.3等と9.9等の二重星。一方、下の方の青い星はHD 9365という、M103よりもずっと手前にある無関係の星です。さもM103に属しているかのような顔つきをしていますが……(^^;

このM103よりも大きく明るいのがNGC 663。姿もいかにも星団らしいですし、しばしばM103と間違えられたりしています。ただ、M103と違って目立つ星の並びがないため、華やかさにはやや欠ける印象です。

その北側にはNGC 654。この星団の傍らにはHD 10494という7等星があって目立ちます。このHD 10494ですが、驚くことに同星団の一員で、いわゆる「黄色超巨星」と呼ばれるタイプの星です。超巨星の寿命が短いことを考えれば星団自体もかなり若く、実際、NGC 654の年齢は約1400万年と言われています。

写真の左上にはIC 166という暗い散開星団がありますが、この星団は他の星団に比べて明らかに赤いです。星団の年齢自体が約10億年と比較的古めなのに加え、実際の位置が銀河系のペルセウス腕の向こうということで、天の川のチリによる減光で赤っぽく見えているのです。

この写真は、散開星団の星々を際立たせるためにソフトフィルターである「プロソフトン クリア」を用いています。適度に星がにじんで、存在感が増してくれたのではないかと思います。

オリジナル画像

さすがに明るい星団なので強調前でも存在は分かりますが、おそらく空の暗い所でのそれとは比べ物にならないでしょう。

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