光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

木星 2014年12月28日

撮影日時 2014年12月28日 1時54分58秒
撮影機材 セレストロン EdgeHD800+Meade 3x TeleXtender(D203mm, f6096mm)、ビクセンSXP赤道儀
使用カメラ モノクロ:ZWO ASI120MM
カラー:ZWO ASI120MC
露出時間 モノクロ・カラー:約90秒, 約30fps
その他 モノクロ:約2000フレームをAutostakkert!2でスタック後、Registax6でウェーブレット処理、ステライメージ7で最大エントロピー法による画像復元
カラー:約2000フレームをAutostakkert!2でスタック
得られたモノクロ、カラーの画像をステライメージ7でLRGB合成

2014年12月28日、動画カメラを用いて撮影した木星です。

カメラはモノクロのものとカラーのものを合わせて用いていますが、これは、モノクロの方を解像感重視で処理し、一方のカラーの方で色情報のみを集め、これらを最後に合成する「LRGB合成」という手法です。この手法の元となった「RGB合成」では、モノクロカメラと赤(R)、緑(G)、青(B)のフィルターをそれぞれ組み合わせて順次撮影し合成しますが、これだとフィルター交換の手間がかかる上、模様の変化が速い木星では各色ごとの露出時間が長くとれないという問題がありました。LRGB合成では、色情報はカラーカメラで取得するのでフィルター交換の必要はなく、また撮影回数が減らせるので露出時間を長くとることができ、結果として画像処理に強い良質な像を得ることができます。

自分は昔からどうも運が悪く、大赤斑がこちらを向いた時に限って悪天候に見舞われたり、体調不良だったり、時間的に観察・撮影不能だったりすることが多いのですが、この夜はうまくタイミングがあってくれました。ただ、真冬ということでシーイングはそれほど良くはなく(この時期にしては「マシ」ではありましたが)、模様をはっきりさせるためにはかなり強い画像処理が必要でした。悪影響は木星の輪郭付近のリンギングという形で表れてしまっています。やはりどんなに機材を揃えようと、撮影法に工夫を凝らそうと、シーイングの良し悪しが最重要ということを実感させられます。

ちなみに木星の左側に見えているのは、木星の四大衛星(ガリレオ衛星)の1つ、イオ。太陽系に存在する全衛星の中でもガニメデ(木星, 半径2631km)、タイタン(土星, 半径2575km)、カリスト(木星, 半径2400km)に次いで第4位の大きさ(半径1815km)を誇ります(地球の月は第5位で半径1738km)。地球以外の天体で初めて活火山が確認されたことでも有名です。

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