光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

いるか座新星2013(いるか座V339星)

撮影日時 2013年8月20日21時52分
2013年8月25日23時44分
2013年8月31日20時51分
使用カメラ ペンタックス K-5IIs+DA17-70mmF4AL[IF]SDM
感度・露出時間 35mm, F4, ISO1600 露出5秒(2013年8月20日)
35mm, F4, ISO800 露出30秒(2014年8月25日、30日)
備考 アストロトレーサーによる簡易追尾

2013年8月14日に、新星・超新星捜索の第一人者である板垣公一氏により、いるか座で発見された新星です。

「新星」といっても、新しい星が生まれるわけではありません。新星のもとになるのは白色矮星と恒星との連星で、白色矮星上に恒星からガスが流れ込んでいます。こうして白色矮星上に降り積もったガスが暴走的に核融合反応を起こして輝くのが新星の正体です(これの、より大規模で極端なものがIa型超新星とも言えます)。

いるか座新星が発見された時、その明るさは6.8等でした。ここから明るさは急上昇し、翌15日には5.5等、16日にはピークとなる4.3等にまで達しました。その後、明るさは多少の増減を交えながら緩やかに低下し、8月末には6~7等、9月末には8等程度にまで減光しています。このくらいの明るさだと、8月中は都心でも双眼鏡を使えば存在を簡単に確認できました。見やすい時期に北半球でこれほど明るくなった新星は、1.7等にまで明るくなった、1975年のはくちょう座新星以来とも言われています。

上の写真は、およそ5日おきにいるか座付近を撮影したものです。この時期は夜になると曇ることが多く、20日と25日は薄雲がかかる中での撮影でした。グレーで印をつけた位置にあるのが「いるか座新星」ですが、周囲の星と比較すると日にちとともに暗くなってきているのが分かります。また、よく見ると赤みを徐々に増してきているようにも見えます。

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