光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

オリオン大星雲 M42(散光星雲、オリオン座)

撮影日時 2015年12月20日
撮影機材 ミニボーグ60ED+マルチフラットナー1.08×DG(D60mm, f378mm)、ビクセン SXD赤道儀
使用カメラ Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3
ガイド鏡 ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)
オートガイダー ZWO ASI120MM
感度・露出時間 ISO800、240秒×16コマ+120秒×16コマ+60秒×16コマ+30秒×16コマ+15秒×16コマ
備考 IDAS/SEO LPS-P2-FFフィルター使用

早いもので、前回撮影してから3年がたって、三たびオリオン大星雲を狙ってみました。撮るだけなら都心でも比較的簡単に撮れる一方、明るい中心部から淡い周辺部まできれいに表現しようとするとなかなか難しく、奥の深い被写体でもあります。

今回は、多段階露光……一般写真でいうところのHDR撮影に相当しますが、淡い部分を浮き上がらせつつ、中心部の白トビをなるべく抑える方針で臨みました。加減が分からないので、露出は2倍ずつ変えた系列で各16枚を撮影。各々を加算平均でコンポジットした後に加算合成して元データとしています。

上がその結果ですが、東京都心のド真ん中でこれだけ写れば、ひとまずは上出来かと思います。前回は完全に白飛びしてしまっていた中心部も、ある程度は救えています。画像処理的にはもう少し追い込めそうな感じもなくはないのですが、差が小さそうですし、キリもないのでこのへんで。

色合いに関しては、実物では色が目に見えるわけではないだけに「正解」がなく難しいところですが、ここでは青みがやや強いエクタクロームのような銀塩ポジフィルム調に仕上げてみました。このあたりは個人の好みや原体験の影響もあり、単純に「良い・悪い」で割り切れないので、本当難しいです。

なお、この写真の縮小版をアストロアーツのギャラリーにも上げていたのですが、なんとこれがありがたいことに「BORG開発担当者ブログ」にて紹介されていました。中川氏からは「都会の天文ファンに勇気を与える作例」とのコメントを頂き、驚くやら恐縮するやら……。しかも中川氏といえばその昔、今は亡き望遠鏡専門店アトム 横浜店の店長をされていたことで有名ですが、実は私が初めて買った天体望遠鏡「スーパーミラーR-125S」がここで購入したもの。思わぬところ、思わぬ形で縁がつながって、なんとも不思議な気持ちになったのでした。

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