光害になんて負けたりしない!東京都心でもできる天体観測

所有機材

現在所有している機材、および以前所有していた機材について、主なものを紹介します。ほとんどが比較的低価格なものばかりです。

鏡筒

ビクセン ED103S

ED103S

金環日食を前に、天文趣味が再点火して最初に買った鏡筒。2011年8月購入。

口径103mm, 焦点距離795mm(F7.7)というアポクロマート屈折として無理のないスペックとリーズナブルな価格が両立した万能機。撮影用として見た場合は物足りないところもあるが、観察対象を選ばず取り回しがいいのが最大の美点。

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セレストロン EdgeHD800

EdgeHD800

惑星の拡大撮影や視直径の小さな天体の直焦点撮影がしたくて、2013年10月に購入。まだ円が比較的高く、消費増税前かつセール期間中ということで、かなり安価に手に入れることができた。

約2000mmという長焦点鏡ゆえガイド撮影の難度は高め。閉鎖鏡筒なので温度順応もそのままでは手間がかかるが、色々と手を入れて改善した。

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トミーテック ミニボーグ60ED

ミニボーグ60ED

EdgeHD800用のガイド鏡 兼 撮影鏡として2014年3月に購入。

場面、用途によってパーツを組み替えなければならない煩雑さはあるが、カメラ三脚にも載せられる軽量さから手軽な眼視用の機動戦力としても活躍。

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トミーテック BORG55FL+レデューサー7880セット

BORG55FL+レデューサー7880セット

大きく広がった淡い天体を捉えるべく2017年6月に購入。

焦点距離200mm、F3.6という望遠鏡としては類を見ないスペックで、ピントのシビアさなど気難しい面もあるが、これでしか撮れない対象があるのは確か。長時間露出が必要な都心からの撮影では、この明るさに助けられることもありそう。

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Sky-Watcher MAK127SP

MAK127SP

月、惑星の手軽な観望用として2019年7月に購入。

口径127mm、焦点距離1500mmとそれなりのスケールの大きさながら、全長40cmあまりというコンパクトさと3kg程度の軽量さ、そして実売3~4万円台という低価格が最大の魅力。それでいながらちゃんと見え、コストパフォーマンスは極めて高い。実は所有鏡筒の中で2番目の大口径。

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Askar FRA300 pro

FRA300 pro

レデューサーを装着したミニボーグ60EDのイメージサークルの狭さを回避するため、2023年3月に購入。

星像は隅々まで優秀でイメージサークルも十分広く、さらに周辺減光も少なめと優秀な鏡筒ではあるのだが、フラットの配光パターンにクセがあって補正が難しいのが玉に瑕。

詳しいレビューはブログの記事を参照。

トミーテック ミニボーグ45EDII

ミニボーグ45EDII

EdgeHD800のガイドシステムの、より一層の軽量化を目指して2016年6月に購入。生産終了のアナウンスがあってからだいぶ経っており、おそらく最終ロットではないかと思われる。カタログ上の公称値は口径45mm、焦点距離325mm(F7.2)だが、実機はやや焦点距離が長く335mm(F7.4)となっている模様(ロットによって異なっている可能性あり)。

性能に関しては定評があるが、撮影鏡としてはやや暗く、焦点距離も60EDに近くて中途半端な感じが否めない。当初の予定通り、もっぱらガイド鏡として使うのが適当かと思われる。

トミーテック ペンシルボーグ25

ペンシルボーグ25

ミニボーグ60EDを撮影鏡として使う際のガイド鏡として購入。既にあちこちで言われているが、25mmという極小口径の割にはよく見える。とはいえ、ファインダーにも劣る程度の口径なので過度の期待は禁物。

6cm ガイドスコープ

6cm ガイドスコープ

今は亡き有名望遠鏡販売店「アトム」で購入した、同店オリジナルの口径60mm、焦点距離540mmのアクロマート屈折。中学のころにR-125Sと同時に購入したもの。

接眼部が36.4mmねじ込み式/24.5mmスリーブだったので、31.7mmスリーブのアダプターに交換したが、それ以外は当時のまま。安物の鏡筒ではあるが、昔の製品らしく意外としっかりした作りで、ガイド鏡としての使用に十分耐える。

架台

ビクセン SXP赤道儀

SXP赤道儀

SXD赤道儀からの買い替えで、2013年4月に購入。ステッピングモーターの採用とSTAR BOOK TENコントローラの採用で、追尾精度、使い勝手ともに大幅にアップした。鏡筒の積載方法も柔軟性があり、複数のシステムを使い分けるには便利。

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ミザールテック K型微動マウント(K型経緯台)

K型経緯台

天体撮影を行っている間に観望を行うため&日常の手軽な観望用に、2017年4月に購入。2017年で発売開始から35年という、「歴史的名機」といって差し支えないレベルのロングセラー。デザインの古さは否めないが、その性能、機能は経緯台として必要十分で、かつて隆盛を誇ったミザールの良心を今なお体現している。

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Sky-Watcher AZ-GTiマウント

AZ-GTiマウント

K型経緯台同様、天体撮影を行っている間に観望を行うため&日常の手軽な観望用として2019年5月に購入。スマホで制御が可能な自動導入経緯台で、3万円台という驚きの低価格もさることながら、機能にも過不足なく、使い勝手は非常に良好。一般の人に天体を見せるのにも重宝している。

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カメラなど

ZWO ASI2600MC Pro

ASI2600MC Pro

進境著しいZWOから発売された、APS-Cサイズの冷却CMOSカメラ。2019年12月に購入予約して、納品は2020年4月末。高感度&低ノイズのソニー製裏面照射型CMOSと「外気温-30℃」までの強力な冷却機能によって、高レベルな画像を叩き出す。街なかからの撮影の強い味方。

ZWO ASI533MC Pro

ASI533MC Pro

ZWOから発売された、1インチサイズの冷却CMOSカメラ。2021年12月にセールにつられて購入。基本的な性能はASI2600MC Proと同じだが、正方形という他に例を見ない撮像素子のフォーマットと、ASI2600MC Proよりも小型軽量な本体、保護ガラスがIRカットフィルターではなく反射防止ガラスになっているのが特長。しかし、ASI2600MC Proの保護ガラスを自力で反射防止ガラスに交換できてしまったので立場が危うく。どうなる?どうする?

キヤノン EOS KissX5(SEO-SP3改造)

EOS KissX5 SEO-SP3

格安で出ていた中古のKissX5を入手し、IRカットフィルターを除去した改造品。主に、マウント内に装着する光害カットフィルター「IDAS LPS-P2-FF」と併用して使用。改造に伴ってセンサーのクリーニング機構がオミットされてしまっているので、使用前のセンサー掃除は必須。冷却CMOS導入後は星野撮影に活躍。

ペンタックス K-5IIs

K-5IIs

こちらは基本的に普段使い用のカメラで未改造。光害カットやHα線の写りが不要な被写体(月など)の撮影や、「アストロトレーサー」を利用した星野写真の撮影に使用。

ネット上の評価ではHαも意外とよく写るようだが、上記の改造カメラがある以上、その目的で使うことはまずない。PCに繋いでのリモート撮影ができないのは最大の欠点。

キヤノン EOS KissX5(未改造)

EOS KissX5

Hα線の写りが不要な星団や系外銀河の撮影用に中古で入手。この目的にはこれまで上記のK-5IIsを用いてきたが、ピント合わせに用いていたビデオキャプチャユニットがWindows10環境で動作しなかったため、こちらに切り替え。

あえて旧型のX5を選んだのは、センサーの特性が現行機種のものよりかえって良いため。海外サイトなどの情報によれば、X6i以降の機種は、動画性能を重視する意味もあって撮像素子面に位相差AF画素を組み込んだ「ハイブリッドCMOS AF」を採用しているが、そのために高感度特性やノイズ特性が犠牲になっているとのこと。なんだかんだでX5はバランスが良いといえる。

StarlightXpress Lodestar(コネクタ改造品)

Lodestar

これまでの常識を覆す高感度性能で人気となったガイドカメラ。2012年5月購入。

感度が高い上にチップサイズが大きくて視野が広く取れるため、空のどこに向けてもたいていガイドに使える星が視野内に入る。ガイドマウントを完全に不要にしたともいえるエポックメイキングな製品。

ウチで使用しているのは、ガイドポートおよびUSBコネクタを一般的なものに交換した三基光学館製の改造品。チップサイズが比較的大きい(1/2インチ型)ので、視野をなるべく広くとりたいオフアキシスガイド用として使用。

ZWO ASI120MM / ASI120MC

ASI120MM MC

中国の新興光学機器メーカーZWO(苏州振旺光电有限公司)が販売している低価格・高感度CMOSカメラ。MMがモノクロでMCがカラー。

ASI120MMはLodestarの半額程度でありながら、同程度の感度とより高い解像度を実現しており、同じCMOSを採用している中国製のQHY5L-IIともどもかなりの人気となった。

インタレーススキャン型CCDのLodestarと違って惑星撮影などにも使えるのは大きな利点。従来、MMとMCとを組み合わせてLRGB法による惑星撮影に使用していたが、現在はMM, MCともにガイドカメラとしての使用がメイン。

ZWO ASI290MM / ASI290MC

ASI290MM MC

ZWOのUSB3.0対応高感度CMOSカメラ。MMがモノクロでMCがカラー。

メインの用途は惑星のLRGB撮影。非常に高性能だが、カメラの速度が上がったこともあり、データ取り込みの帯域&高フレームレートによるデータ量の増大が悩みの種。使いこなすにはPC側にも相応の性能が求められる。

QHYCCD PoleMaster

Polemaster

中国のQHYCCDが発売している電子極軸望遠鏡。赤道儀の極軸部分に取り付けて使用する。動画カメラで北極星野を撮影し、その星の位置を元に高精度で極軸位置を割り出して赤道儀の据え付けをサポートする。

3万円以上とそれなりに高価で、PCが必須という欠点はあるが、従来型の極軸望遠鏡のように無理な姿勢で覗く必要がなく、調整も不要。精度面でもはるかに高精度の据え付けができるのでメリットは大きい。

従来型の極軸望遠鏡については使い勝手などの面で不満も少なからず上がっていたはずだが、主要国内メーカーからこうした発想が出てこなかったことが残念。

カメラレンズ

シグマ 18-50mm F3.5-5.6 DC

シグマ 18-50mm F3.5-5.6 DC

星野写真撮影用に中古で購入。きわめて安価な標準ズームで、いわゆる「撒き餌レンズ」の類だが、設計に無理がないせいか、古くても像質は意外に素直。F値がやや暗い点に目をつぶれば十二分に役に立つ。軽量コンパクトなのも、架台への負荷という意味では大きな利点。

キヤノン EF75-300mm F4-5.6 IS USM

キヤノン EF 75-300mm F4-5.6 IS USM

上記標準レンズと「BORG55FL+レデューサー7880セット」の間の焦点距離を埋めるために中古で購入。これも古いレンズだが、撮影したフラットフレームを見る限り、「EF70-200mm F4L USM」のようなおかしなゴーストは見られない。現時点(2021年2月)では未使用のため、評価不能。

双眼鏡・単眼鏡

ニコン 10×42HG L DCF

10×42HG L DCF

2007年10月当時の同社のハイエンド機種。星見&鳥見用に、一生モノのつもりで購入。大きさ、重さが手ごろな一方、各収差はよく補正されていて、さすがの一言。価格はそれなりに高かった(134000円(当時))が、十分に見合う性能といえる。大事に使っていきたい。

ビクセン アルティマ Z10×42(W)

アルティマ Z10×42(W)

上記双眼鏡の前にメインで使っていた双眼鏡。二十数年前に買ったものだが、この「アルティマ」シリーズは光学性能については当時から評価が高く、同価格帯のカートン光学「アドラブリック」シリーズと人気を二分していた記憶がある。

軽量で取り回しがよく広視界、光学性能は言うに及ばず……ということで長らく愛用していたが、さすがに長年の酷使でガタがきて第一線を引退。ボロボロなので売るにも売れず、かといって捨てるには忍びなく……というわけで今は防湿庫の肥やしに。仕方ないよなぁ、これは……。

サイトロン StellaScan 2x40 Mono

StellaScan 2x40 Mono

俗に「星座双眼鏡(単眼鏡)」などと言われている類の製品で、2022年7月に購入。広視野・超低倍率なのが特徴で、眼鏡をかけたままでもざっくり20度ほど……カシオペヤ座やオリオン座、ぎょしゃ座がすっぽり収まる程度の視野が得られる。都心部でも、肉眼と比べて1.5等ほど暗い星まで見えるので、星座を構成する星々が見えるようになって楽しい。

赤道儀設置の目安になる北極星が確認しやすくなるのは地味に便利。

手放した機材

ビクセン/アトム スーパーミラーR-125S

スーパーミラーR-125S

今は亡き有名望遠鏡販売店「アトム」とビクセンとの共同企画品。スーパーポラリス赤道儀に口径125mm, F5.8のニュートン反射を組み合わせたセット商品で、中学の頃、ちょうどハレー彗星ブームの前になけなしの貯金をはたいて購入。同時に上記のガイドスコープと、当時話題になっていた「マイコンスカイセンサー」も同時に買った。初めて自分の金で購入した機材。

ちなみに、マイコンスカイセンサーは当時の最先端機器の1つであったが「バックアップ電池がなく毎回年月日や観測地の緯度経度などの初期設定の入力が必要」、「導入したい天体は添付の冊子を見ながら専用のコードNo.で入力しなければならない」、「自動導入時の最大速度は恒星時の32倍速」……など、今から見ると恐ろしく使いにくい仕様。それでもあの当時、あの価格でよく商品化したと思う。

月・惑星や彗星を見たり、一眼レフ(オリンパスOM-2)を装着して簡単な写真を撮ったりとそれなりに活躍してくれたが、ある夜、足を引っ掛けて派手に転倒させてしまい鏡筒に深刻なダメージが。ちょうど忙しくなっていた時期でもあり、家の建て替えなども重なって、それ以来、押入れの奥で長い眠りにつくことに。ED103S+SXD赤道儀の購入を機に売却・廃棄。

キヤノン EF70-200mm F4L USM

EF70-200mm F4L USM

大きく広がった天体を撮影するため、2013年2月に中古で購入。

しかし実際に撮影に使ってみると、レンズ内、もしくはマウント内に配置している光害カットフィルターとレンズの後玉との間で、光害で照らされた空や近隣の街灯が原因と思われる酷いゴーストが発生した。とても使用に耐えるものではなく、1年とたたずに売却。

一般的に良いといわれるレンズでも、必ずしも天体撮影に向いているとは限らない例。

SkyDigital SKYHD CAPTURE USB3.0 HDMI

SKYHD CAPTURE USB3.0 HDMI」

いわゆるビデオキャプチャユニット。K-5IIsのライブビュー画面をPCで表示させるために導入。USBバスパワーで動作する。

一方のケーブルをK-5IIsのHDMI出力、もう一方のケーブルをPCのUSB端子に接続すると、キャプチャソフトでHDMIからの映像……すなわちK-5IIsからの映像を表示できる。PCの大きい液晶でライブビュー画像を確認できる上、ピント合わせ支援ソフトの類も利用できるため、K-5IIsでのピント合わせが格段に楽になった。ポータブル液晶モニタを使ったりするよりは、あらゆる点で有利なはず。

便利に使用していたが、撮影時に用いるPCのOSをWindows10にアップグレードしたところ、うまく動作しなくなってしまったためやむなく売却。

ビクセン SXD赤道儀

SXD赤道儀

2011年8月、翌年の金環日食を前にED103Sとセットで購入。DCモーターによる駆動に一抹の不安はあったが、この時点ではビクセンのラインナップ中、普及型のSX赤道儀の上位機種がこれであり、予算や搭載重量などを考えると選択の余地がなかった。

架台は比較的堅牢でポテンシャルは感じさせたが、実際に使い始めるとクランプフリー時の動きの渋さとそれによるバランスの合わせにくさ、DCモーターの非力さからくるガイドの不安定さ、STAR BOOKの機能の物足りなさ(子午線通過時に強制的に鏡筒が反転する、一度アライメントを行うと、強制的に赤緯側に修正が入るようになる、など)に終始悩まされた。

上記の不満点に加え、鏡筒の積載方法がビクセン規格のアリミゾに限定されてしまうことを嫌気し、結局2013年4月、下取りに出してSXP赤道儀と交換した。必ずしも悪い赤道義ではないものの、モーターと制御システムの不出来に振り回されてしまった印象。

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